2020.11.17

子宮内膜症と不妊治療の関係について〜生理痛が痛む方へ〜

生理痛が辛く、婦人科に相談をしてみたら自分が子宮内膜症であると診断されたという人は少なくありません。

子宮内膜症は治療が可能な病気ですが、妊娠を希望している・不妊治療を受けている状態で子宮内膜症の治療は可能なのでしょうか?

この記事では、子宮内膜症と不妊症の関係について分かりやすく解説していきます。

子宮内膜症について

子宮内膜症と不妊治療の関係を知る前に、まずは子宮内膜症についての理解を深めましょう。

子宮内膜症とは

子宮内膜症とは、本来生理のたびに体の外に排出されるべき子宮内膜の出血が逆流してしまい、子宮以外の場所に付着してしまうことを言います。

その状態が続き卵巣内に癒着が発生してしまうと、チョコレート状の塊になり卵巣チョコレートのう胞になってしまうこともあるのです。

子宮内膜症の症状は強い生理痛と不妊で、治療をしても完全に治すというのが難しく、再発を繰り返すこともあるでしょう。

そして子宮内膜症は珍しい病気ではなく、日本では生理がある女性の10人に1人程度が子宮内膜症にかかっていると言われています。

子宮内膜症の治療

子宮内膜症の治療には2種類の方法があり、その一つが手術療法である腹腔鏡手術です。

卵巣チョコレートのう胞を取り除いて癒着を剥がしますが、妊娠を希望しないのであれば子宮自体を取るという選択もできます。

もう一つの治療方法は薬物療法です。

痛みを抑える対症療法では妊娠できる状態を保つことができますが、根本的な治療にはなりません。

他にはピルを用いて卵巣ホルモンを閉経の状態にして、卵巣を休ませる方法もあります。どの薬を使用するかは妊娠を希望しているかどうかによって変わるようです。

不妊治療時の子宮内膜症の治療

子宮内膜症についての知識を深め、一般的な治療法をお伝えいたしましたが、不妊治療時は先ほど説明した方法とは違った選択がされることもあります。

ここからは不妊治療時に行われる、子宮内膜症の治療方法について説明しましょう。

軽度の子宮内膜症には排卵刺激と人工授精

子宮内膜症の状態が軽度であれば、排卵誘発剤の使用や人工授精が有効だと言われています。

進行している子宮内膜症には手術療法

子宮内膜症が進行してしまっている状態の場合は、手術療法が選ばれます。

手術療法もいくつかの方法に分けられますが、比較的進行が軽い状態であれば内視鏡を使用した腹腔内洗浄で癒着の剥離が可能です。

重度の子宮内膜症では腹腔鏡下の癒着を剥離・内膜症病変の切除をする必要があります。またチョコレートのう胞がある場合にも手術で切除できます。

どちらの方法にしても、手術後に妊娠率の改善が期待できると言われています。

体外受精

子宮内膜症の方にも体外受精は有効です。

その場合は子宮内膜症の治療とは別に、体外受精を進めることとなるでしょう。

不妊治療と並行した子宮内膜症の治療は医師との話し合いが必要

不妊治療を行いながら子宮内膜症の治療を進めることは可能であることが分かりましたが、どの方法を選択するべきなのかは自分の子宮内膜症の状態だけでなく、「現段階の年齢」「不妊治療にかかる費用」も一緒に比較して検討をしなくてはいけません。

一般的には子宮内膜症が軽度で年齢が若い場合には、一般的な不妊治療が進められることが多く、子宮内膜症が重度になると腹腔鏡手術を勧められることが増えるようです。

医師と相談を続け、納得のいく決断をした上で治療方針を決めていきましょう。

まとめ:子宮内膜症と不妊治療の関係について~生理痛が痛む方へ~

いかがでしたか?今回は、子宮内膜症と不妊治療の関係を説明いたしました。

不妊治療中を続けながら子宮内膜症の治療をするためには、その状態に合わせた選択を慎重に行う必要があることが分かりました。

医師の説明を受け、夫婦で話し合って治療を進める必要があるでしょう。

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