2020.11.17

2020.11.17

子宮内膜症が不妊症の原因になる理由とその治療について解説!

子宮内膜症は多くの女性がかかりやすい病気で、一般女性の5〜10%、不妊症女性の20〜30%が子宮内膜症であると言われています。

不妊症女性の方がその割合が高くなるのは、子宮内膜症は不妊症の原因の一つでもあるからです。

この記事では、子宮内膜症が不妊症の原因になる理由と、不妊治療中の子宮内膜症の治療について解説していきます。

子宮内膜症と不妊の関係

子宮内膜症は不妊原因の一つとお伝えしましたが、ここでは、子宮内膜症になるとなぜ不妊になってしまうのかを見ていきましょう。

子宮内膜症は骨盤内に炎症を起こさせる

子宮内膜症になってしまうと、骨盤内に慢性的な炎症が起きているという状態になります。

その炎症は体内で炎症物質・免疫担当細胞の増加を促し、卵胞の発育を障害して卵の質も低下させてしまうのです。

その結果、受精率と妊娠率を低下させて不妊を招いてしまいます。

子宮内膜症は骨盤内の臓器を癒着させてしまう

子宮内膜症は子宮内膜が子宮以外にできてしまう病気ですが、その発生箇所は子宮と直腸の間卵巣内が多いと言われています。

そのため、子宮・卵巣・卵管という妊娠のために重要な器官が癒着してしまい、卵巣から卵の放出・卵管への卵の取り込みと輸送・受精卵の輸送などの妊娠に必要なステップが全て弊害されてしまうのです。

不妊治療中の子宮内膜症の治療

子宮内膜症が不妊の原因になることが分かりましたが、子宮内膜症の治療は不妊治療と並行して進めることも可能です。

その治療方法は状況によって変わるため一つとは限らないのですが、ここでは不妊治療と同時に行われる子宮内膜症治療の代表的な例を紹介しましょう。

子宮内膜症の薬物療法

子宮内膜症の薬物療法には数種類あり、症状によって使い分けられるようです。

【子宮内膜症の薬物療法】

  • 鎮痛剤で痛みを抑える
  • ホルモン剤を使用して病巣部分を一時的に縮小する
  • 低容量ピルで月経量を減少させる

その他にも偽妊娠療法や偽閉経療法が用いられ、薬によって人為的に妊娠・閉経状態を作り出し、生理自体を止めて子宮を休ませて子宮内膜症の悪化を防ぎます。

しかし偽妊娠療法や偽閉経療法の期間中は、妊娠できません。

一時的に不妊治療を休止することになりますが、子宮を休ませることで子宮が健康的な状態になることが期待でき、薬の服用を停止した後の妊活に良い影響を与えるという考え方もあるようです。

子宮内膜症の手術療法

薬物療法と同様に、子宮内膜の手術療法にも種類があります。

【子宮内膜症の手術療法】

  • 保存手術(子宮・卵巣を温存)
  • 退治手術(子宮・卵巣を全摘出)

不妊治療と同時に行われる子宮内膜症の手術療法は保存手術となり、子宮内膜症の病巣を取り除きます。

また、腹腔内を洗浄する方法が取られることもあるようです。

子宮内膜症は再発の心配がある

残念ながら子宮内膜症は再発しやすい病気でもあります。

子宮と卵巣の全摘出をしない限り、手術で子宮内膜症の病巣部分を取り除いても、女性ホルモンの影響を受けて再度増殖してしまうのです。

そのため、再発予防のために手術後の薬物療法が続けられることもあります。

まとめ:子宮内膜症が不妊症の原因になる理由とその治療について解説!

いかがでしたか?今回は、子宮内膜症と不妊の関係を詳しく説明いたしました。

子宮内膜症は放置してしまうと、不妊だけでなくがんになってしまうこともあります。

そして、子宮内膜症の症状は、不妊以外に生理痛がひどくなるという特徴があります。

忙しい毎日を送る多くの女性は生理痛を我慢してしまうようですが、子宮内膜症の可能性も考え、生理痛が辛いと感じたら一度婦人科に相談してみると良いでしょう。

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています