2020.10.30

コロナ流行中に採卵などの高度不妊治療を進めることについて

新型コロナウイルスの影響を受けて、多くの夫婦は不妊治療を進めるか休止するかの選択を迫られたと思います。

特に一般不妊治療でなく体外受精や顕微授精などの高度不妊治療を進めていた夫婦にとっては、今までかかった治療費を考えるとなかなか中止という決断ができなかったのではないでしょうか?

そこでこの記事では、高度不妊治療中の患者が受けた新型コロナウイルスの影響について解説していきます。

日本生殖医学会の声明について

日本生殖医学会では、2020年4月に不妊治療の延期を促す声明を発表しましたが、5月半ばには不妊治療の再開を促す声明を再度発表しました。

この声明に強制力はないものの、多くの夫婦が不妊治療の休止を決め、さらに5月の声明を受けても治療を再開せずに休止を続けている方もいます。

また、不妊治療を専門とするクリニックでも治療自体の数を絞ったり、新規患者の受け付けを控える場合もあったようです。

現段階でも人員確保や感染予防対策の影響で、患者の受入制限や診療時間の短縮などを実施しており、普段通りの運営が再開できていないクリニックは少なくありません。

高度不妊治療を休止する場合でもできることがある

妊婦が新型コロナウイルスに感染してしまった場合のエビデンスが不足している現在では、万が一の場合に適切な対応を受けられない可能性を否定できません。

そのため高度不妊治療を進めていた方でも、治療の休止を決める場合が多いようです。

しかし治療を休止するからと言って、できることがないわけではありません。

ここからは、新型コロナウイルスの影響を受けて高度不妊治療を休止する夫婦が今できることをお伝えします。

受精卵を凍結しておくことが可能な場合がある

この対応はクリニックの方針によって変わる部分でもありますが、採卵から培養までのプロセスを終えている受精卵は凍結が可能です。

受精卵を凍結した上で新型コロナウイルスの収束を待てば、受精卵に使用された卵子は採卵時の年齢のまま歳をとることがありません。

つまり治療の再開までの数年の時間を要したとしても、卵子が老化する前の受精卵を使用して体外受精が進められるということになります。

胚移植をするときに備えて準備する

体外受精を休止した場合、次の体外受精がより成功率の高いものにできるよう、胚移植しやすいように子宮内膜を十分な厚みに整えておきましょう。

そのためには必要な睡眠時間の確保栄養バランスの良い食事規則正しい生活習慣を心掛け、ストレスを抱えにくい生活を意識するようにしてください。

不妊治療の休止と同時に治療をステップアップさせる人もいる

一般不妊治療中で新型コロナウイルスの影響を考え、不妊治療の休止を決めた夫婦の中には、治療の休止と同時に一般不妊治療から高度不妊治療へのステップアップを決めた方達もいます。

なぜこのタイミングでステップアップの決断がされたのでしょうか?その理由を調べました。

受精卵を凍結させて卵子の老化を防ぐ

受精卵の凍結については先ほどの高度不妊治療の休止期間にできることとしても解説しましたが、今採卵した卵子での受精卵を凍結することで、不妊治療の休止のデメリットである卵子の老化を抑えられるという考えがあるようです。

そのため、このタイミングで一般不妊治療から高度不妊治療にステップアップし、受精卵の凍結までを進めたいという夫婦が増えています。

まとめ:コロナ流行中に採卵などの高度不妊治療を進めることについて

高度不妊治療は非常に高額な治療費が必要なものであり、年齢的な制限も考えると安易に不妊治療を休止できるものではありません。

現段階では夫婦の意思が尊重され、治療の継続に関しての決断は夫婦に任せているクリニックが多いため、お互いが納得のできる答えが見つかるよう十分な話し合いを続けましょう。

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