2020.10.30

新型コロナウイルスの影響による不妊治療助成制度の変更について

今年度は新型コロナウイルスの影響を受け、多くの夫婦が話し合いによって不妊治療の休止を決めたり、クリニックの都合で休止せざる得ない状態になったりしてしまいました。

厚生労働省では現在の状況を踏まえ、新型コロナウイルスの影響で不妊治療を諦める夫婦が増えることのないよう、不妊治療助成制度の一時的な見直しを実施しています。

そこでこの記事では、新型コロナウイルスの影響を受けて見直された不妊治療助成制度の変更点について解説していきたいと思います。

今年度の不妊治療を休止すると決めたのであれば、不妊治療助成制度の変更点を理解しておきましょう。

産婦人科学会が発表しているコロナ禍における不妊治療の情報について

不妊治療助成制度とは

不妊治療を受ける夫婦の経済的負担を軽減するために、厚生労働省では特定の不妊治療にかかる治療費を助成する制度を設けています。

見直し前の不妊治療助成制度の対象者

・特定の不妊治療以外の治療法によって妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に判断された法律上の婚姻をしている夫婦
・治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦
・夫婦合算の所得が730万円未満

※体外受精及び顕微授精を受ける場合に適用

※事業実施主体において指定された医療機関での治療のみに適用

引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047270.html

不妊治療助成制度の給付内容

(1)特定不妊治療に要した費用の1回の治療につき15万円(凍結胚移植は7.5万円)を治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満であるときには6回(40歳以上であるときには3回)まで助成する。
(2)初回の(1)の治療に限り30万円まで助成する。
(3)特定不妊治療のうち精子を精巣または精巣上体から採取するための手術を行なった場合は15万円までを助成する。
(4)初回の(3)の治療に限り30万円まで助成する。

引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047270.html

不妊治療助成制度を申請する流れについて

不妊治療助成制度を利用したい場合は、どのような流れで申請すればいいのでしょうか?

各都道府県で多少異なる部分もあるかと思いますが、ここでは一般的な申請手続きをご紹介します。

  1. 各都道府県の指定医療機関にて特定不妊治療を行う
  2. 特定不妊治療が完了したら、医療費を支払う
  3. 不妊治療助成制度の審査に必要な書類を準備し、各都道府県指定の宛先に送る
  4. 申請後、審査結果通知が届く
  5. 通知から約1ヶ月程度すると、指定した口座に助成金が振り込まれる

以上が、一般的な手続きの流れです。

なお、上記の例は東京都を参考にしたものなので、必ずお住まいの都道府県の方法に沿って申請手続きを進めてください。

コロナ流行中の不妊治療で感じる感染への不安とストレスとの付き合い方

新型コロナウイルスの影響で見直された不妊治療助成制度の内容

厚生労働省では新型コロナウイルスの影響を受けて今年度に限り、先ほどご紹介した不妊治療助成制度の内容を見直しました。

その修正点を具体的に見ていきましょう。

対象の年齢上限を緩和

通常であれば不妊治療開始時の妻の年齢を43歳未満と定めていましたが、2020年度に限り44歳未満に引き上げられることが決まりました。

1年間不妊治療が延期されてしまった場合にも、不妊治療助成制度を利用できるということです。

また、助成金を受けられる通算回数についても同様に見直しが実施され「40歳未満:通算6回、40歳以上:通算3回」と定められていた年齢制限を「41歳未満」「41歳以上」に引き上げています。

所得制限の緩和

不妊治療助成制度の対象者は通常であれば、夫婦の年間所得が730万円未満でなくてはいけませんでした。

しかし今年後は多くの業界が新型コロナウイルスの影響を受けて収益減となっており、所得が今年に入ってから下がってしまった夫婦も少なくありません。

そのため過去の年間の所得が730万円以上あった夫婦でも、2020年の2月以降の任意で設定した1ヶ月間の収入などから推計した年間所得が730万円未満となる場合には、助成の対象となり助成金を受けられることになりました。

まとめ:新型コロナウイルスの影響による不妊治療助成制度の変更について

新型コロナウイルスにより不本意ながら不妊治療を休止している夫婦のために、厚生労働省が行なった不妊治療助成制度の見直し内容を具体的に説明いたしました。

このような対策のおかげで、1年不妊治療を休止したせいで不妊治療助成制度の対象外になってしまうような問題を解決できたと言えるでしょう。

不妊治療の休止を決めたのであれば、今できる体質改善や生活習慣の改善などに専念し、いつでも不妊治療を開始できる体調を整えておくと良いですね。

よしこ先生
よしこ先生

「コロナ禍では不妊治療ストップすべきですか?」そんな質問を数多くお受けしました。不妊治療は不妊クリニックさんの方針が最も重要。専門家にしかわからないリスクは必ずありますから医師の指示に従いましょう。優先順位1位は生まれてくる赤ちゃんの命ですからね。

しかし!!タイムリミットがあるのも私たち女性です!!今のうちに夫婦でしっかり話し合い、価値観のすり合わせをしたり(これが実は赤ちゃんが来てくれた時に1番大事です!!)コロナ太りしてる場合じゃない!!!ご夫婦でできるココロとカラダの準備だと思って、体調管理、ダイエットなど必要なことをさあ!!始めましょう!

よしこ先生
よしこ先生

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