2020.10.30

産婦人科学会が発表しているコロナ禍における不妊治療の情報について

日本産婦人科学会とは、産科学及び婦人科学の進歩発展を図るために発足した日本の医学系学会であり、妊娠・出産・不妊治療などについての情報を医療関係者や医学生向けだけでなく一般の患者向けにも提供しています。

新型コロナウイルス関係の最新の情報も随時更新されていますので、この記事では日本産婦人科学会が現段階で発表している新型コロナウイルス関連の情報をご紹介します。

日本産婦人科学会が発表している妊婦・不妊治療患者への情報

日本産婦人科学会では、新型コロナウイルスの大流行前である2020年2月に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について妊娠中ならびに妊娠を希望される方へ」という声明を発表し、その後更新を繰り返しています。

ここでは、現段階で発表されている声明の内容について見ていきましょう。

新型コロナウイルスが妊娠・胎児に与える影響

日本産婦人科学会では新型コロナウイルスに妊婦が感染した場合、現時点の見解では胎児への異常・流産・死産のリスクが高まることはないと判断していますが、同時に外国では母子感染や死産に至った報告があることも述べています。

このような状況では、明確な答えは出せていない状態だと言えるでしょう。

妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合の治療

現段階で妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合、その経過や重症度に妊娠による影響はないとされていますが、米国では妊娠は重症化リスクになる可能性があるという報告も存在しています。

新型コロナウイルスの感染を避けるために今できること

日本産婦人科学会では、妊婦が新型コロナウイルスに感染するリスクを下げるために以下のようなことを推奨しています。

  • こまめな手洗い・手指消毒
  • 不要不急の外出を控え、特に会食やカラオケなどは避ける
  • 人混みや「密閉空間」「密集空間」「密接場面」の3つの密が重なる場所を避ける
  • 喫煙は新型コロナウイルス重症化のリスクとなるため、自分自身だけでなく家族も含めて禁煙する
  • 十分な睡眠とバランスの良い食事を心がけ、体調を整える
  • 感染が疑われるときには医療機関を通じてPCR検査や抗原検査を受ける
  • 医学的根拠のない言説に惑わされないようにする
  • 可能な限りソーシャルディスタンス(1.8m以上)を取るようにする

引用:http://jsidog.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20200826170547-781C57AE61CEF21162EFA8058AB6678140204C0800AA129BB6B8A012A1FA0E5E.pdf

新型コロナウイルス流行中の妊婦の働き方について

日本産婦人科学会では新型コロナウイルスへ感染するリスクを下げるために、時差出勤テレワークの活用休暇の取得などを勤務先と相談の上で推奨しています。

新型コロナウイルス流行中の妊婦健診について

声明では新型コロナウイルスへの感染リスクを減らすために、妊婦健診などの通院を控えることのないように呼びかけています。

とはいえ、これは体調に変化がない場合に限った話です。

新型コロナウイルス感染者と濃厚接触があった場合や、家族の感染の疑いがある状態の時には、通院前にかかりつけの医療機関に相談するようにしてください。

その結果、妊婦健診などを延期することになった場合は、自宅で血圧を測って記録しましょう。

また、不正出血や腹痛などがある場合は、電話でかかりつけの医療機関に相談してください。

新型コロナウイルス流行中の分娩について

新型コロナウイルスの感染リスクを下げるために、現段階では原則立ち会い出産を控えるように発表されています。

また、遠隔地での帰省分娩(里帰り出産)も早産や破水のリスクがありますので、主治医に十分な相談が必要です。

分娩時に新型コロナウイルスに感染した場合は、主治医の判断によって帝王切開になる可能性もあり、出産後は赤ちゃんが感染していないか検査が実施されます。

産後もお母さんと赤ちゃんの両方がウイルス陰性になるまで、面会は禁止となります。

まとめ:産婦人科学会が発表しているコロナ禍における不妊治療の情報について

今回は、日本産婦人科学会が発表している新型コロナウイルスに対する情報をまとめてご紹介いたしました。

新型コロナウイルスによる影響は時間とともに変化しているため、最新の情報を確認しながら不妊治療を進める・妊娠期間を過ごすようにしましょう。

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