妊活のために仕事をセーブする・退職する女性は多くいらっしゃいます。不妊治療は女性の月経周期によって治療が急に決まるのでスケジュールも立てにくく、妊娠しやすい体調を維持するためには時間と精神的な余裕が重要だと言われているのが、その大きな理由でしょう。
それでは実際に今現在、不妊に悩む夫婦はどのくらいいるのでしょうか?不妊に悩む夫婦の割合について調べました。
どのくらいの割合の人が不妊治療しているの?
不妊治療を受ける夫婦は年々増えていると言われていますが、実際に調査された結果をもとにその実態をまとめました。
日本の不妊治療の現状について
2014年に実施された日本産婦人科学会による調査では、登録されている全国約600の医療機関のうち体外受精・顕微授精を実施した症例数は39万3745件、4万7322人の子供が誕生しました。
この数字は2013年度よりも1年で約5000人増加した計算になり、日本の全出生児数の4.7%もの割合の子供が不妊治療によって生まれていることになります。
より分かりやすくすれば、日本では約21人に1人の子供は不妊治療を受けて誕生したという計算で、登録外の医療機関での症例数を加えるとその数はより多くなるでしょう。
治療件数自体が増えている
もちろん増えているのは成功事例だけでなく、治療件数自体も年々数万単位で増加しており、その約4割を40歳以上が占めています。
アメリカの不妊治療総治療件数と比べると、約4倍以上もの不妊治療が日本で行われていることになり、まさに日本は「不妊治療大国」なのです。
多くの人が不妊に悩んでいる
日本では若い世代も不妊治療を受ける傾向があり、不妊の原因があると分かっている夫婦であれば、20代前半から治療を開始する例も珍しくありません。
3組に1組の夫婦が不妊に悩み、5組に1組の夫婦は不妊治療を受けているという調査結果もあります。
日本は不妊治療件数世界一なのに出生率は世界の最下位
先ほど説明したように、日本の不妊治療件数は世界一の「不妊治療大国」。しかし、その結果とは逆に国際生殖補助医療監視委員会による日本の出生率は60ヵ国中最下位です。
世界で一番不妊治療が盛んに行われているが、最も子供が出産されない国というのが現状のようです。その理由には、女性の結婚の晩婚化・飽食による初潮の低年齢化・日照・気候・ストレス・日本社会の経済状況など、さまざまな要因が影響していると言われています。
不妊の原因は男性にある?それとも女性にある?
少し前までは不妊の原因は女性にあるという間違った情報が定着していましたが、近年では不妊の原因は男女ともにあることが知られるようになりました。
女性の不妊原因については先ほど紹介いたしましたので、ここでは男性の不妊原因についてまとめましょう。
精子の老化が妊娠率を下げる
精子は卵子と違い生涯を通じて作られますが、加齢とともに精巣のサイズも小さく・男性ホルモンを作る能力も低下していきます。
女性の閉経のようなものはありませんが、生殖能力が年齢とともに下がってしまうのは男女ともに変わらないということです。
精子の機能異常と妊娠への影響
精子の中にはDNA損傷を含む精子など機能異常を持ったものも存在しており、そのような精子の妊娠率は低くなる傾向があります。
また、妊娠出産できたとしても子供への影響がある可能性も否定できません。この精子の機能異常は、年齢に関係しない場合もあるため、若ければ安心とは言えないのです。
まとめ:不妊に悩む夫婦は多い!その割合とは?
不妊治療に悩む夫婦の割合や不妊の原因について分かりやすくまとめました。不妊治療が盛んに行われている日本では、他国に比べて比較的不妊治療が受けやすい環境が整っていると言っても良いでしょう。
治療を検討しているのであれば、まずは多くの情報を集めることから始めましょうね。