2020.10.30

不妊治療と新型コロナウイルス感染症の関係〜事前にリスクを知ろう〜

新型コロナウイルスの影響を受け、日本生殖医学会では2020年4月に不妊治療の延期を推奨する声明を出しました。

新型コロナウイルスとの戦いの長期化を見据え、上記の声明は事実上撤回された形になっているのですが、現段階で不妊治療を進めている方の多くは大きな不安を抱えていると思います。

そこでこの記事では、新型コロナウイルスと不妊治療の関係や、そのリスクについて解説していきます。

リスクを理解した上で、後悔のない判断ができるよう参考になれば幸いです。

新型コロナウイルスによる不妊治療のリスクとは

新型コロナウイルスとの戦いが長期化し、現段階でも収束の目星は立っていない状態です。

不妊治療を継続していた方・長期化を見据えて再開した方は、新型コロナウイルスが不妊治療に与えるリスクを知っておく必要があるでしょう。

ここでは、新型コロナウイルスによる不妊治療のリスクを具体的に見ていきましょう。

不妊治療を継続していた方だけでなく、延期している方もぜひ参考にしていただければと思います

妊婦・新生児が新型コロナウイルスに感染事例が少ない

新型コロナウイルスは、世界的に大流行してしまったウイルスであるものの、新型であるため妊婦や新生児が感染した場合の事例が少なく、情報が不足している状態です。

そのため、現段階では妊婦や新生児が感染後に重症化しやすいかどうかや、妊婦が感染した場合に胎児に影響があるのかもはっきりとした答えが出ていません。

さらに、妊婦や新生児が新型コロナウイルスに感染した場合は、対応ができる病院が限られる可能性も高いでしょう。

「分からないことが多い」という部分が、一番のリスクであるとも言えるのです。

病院に通うことで新型コロナウイルスに感染する可能性が

不妊治療のために通院するクリニックにも、多くの人間が集まります。人が集まる場所は新型コロナウイルスの感染リスクが高まると考えられるため、通院による感染の可能性は否定できません。

また、電車などの公共機関を利用して通院するのであれば、そのリスクがより高くなってしまうでしょう。

不妊治療よりも仕事の優先順位が高い場合には、通勤のために満員電車を利用しなければならない状況が続き、不妊治療は延期しておこうと考える方もいるかもしれません。

病院によっては不妊治療を休止してしまう場合もある

特に不妊治療専門のクリニックでない場合には、新型コロナウイルスに感染した患者を入院させるために不急でない治療・検査・手術を休止している病院もあります。

また、不妊治療専門のクリニックであっても感染予防の観点から人材確保ソーシャルディスタンスを維持するために、新規患者の受け入れを休止または制限しているクリニックもあるようです。

自分が希望していた病院やクリニックで不妊治療が継続できない可能性も考えておかなくてはいけません。

不妊治療を休止することでリスクを抱えることもある

新型コロナ流行中に不妊治療を続けることのリスクをお伝えいたしましたが、不妊治療を休止するリスクも理解しておかなくてはいけません。

ここからは、不妊治療を休止する場合のリスクについて紹介します。

年齢的により妊娠が難しくなってしまう

30歳以上で不妊治療を開始した女性であれば、妊娠できる確率は年々大きく低下してしまいます。

特に30代後半になると、1年不妊治療を休止するリスクは非常に大きなものになるでしょう。

1年後も新型コロナウイルスの大流行が収束しているかどうかが分からない状態である今、どちらのリスクを優先するかを夫婦でしっかりと話し合う必要があります。

不妊治療の延期や継続に関わらず自己管理を徹底

不妊治療の延期や継続に関わらず、新型コロナウイルスに感染しないように、自己管理を徹底しましょう。

新型コロナウイルス禍の自己管理としては、

  • こまめに検温をする
  • 帰宅すればすぐに手洗いうがいをする
  • つり革や手すりなどなるべく触れないようにする
  • マスクをしっかり着用する
  • 部屋の換気をこまめに行う
  • バランスの良い食事をとる

以上を意識しましょう。

不妊治療では基礎体温を測ることが大切ですが、体温を測ることは新型コロナウイルスや風邪などに感染していないか確認することにも繋がります。

また、手洗いうがいや部屋の換気といった毎日の行動も感染リスクを抑えてくれるものですので、こまめに行うようにしましょう。

そして、マスクを着用する場合には、隙間ができないように鼻と口を確実に覆うことができるサイズを選びましょう。

まとめ:不妊治療と新型コロナウイルス感染症の関係~事前にリスクを知ろう~

新型コロナウイルスが不妊治療に与えるリスクは重大であり、多くの夫婦が不妊治療の休止を悩んでしまう状態にあります。

不妊治療を受ける女性の年齢を考慮した上で、後悔のない選択ができるよう夫婦でしっかりと話し合いをしましょう。

そして、不妊治療の継続や延期に関わらず新型コロナウイルスに感染しないようにマスクの着用や手洗いうがいを徹底しましょう。

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています