2020.10.12

特定不妊治療費助成制度を受けらない場合とは

「不妊治療のための助成制度は誰でも利用できるのだろうか…」

「不妊治療の助成制度に制限はあるのだろうか…」

不妊治療中もしくは不妊治療検討中の方で、このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか?

経済的負担の重い不妊治療ですが、「特定不妊治療費助成制度」を利用してその負担を軽くする夫婦は多くいらっしゃいます。

しかし実際には、不妊治療をしたいと考えている全ての夫婦が、特定不妊治療費助成制度を利用できるわけではありません。

この記事では、特定不妊治療費助成制度が受けられない場合について解説していきます。

特定不妊治療費助成制度とは何か?

特定不妊治療費助成制度とは、少子化対策や女性の晩婚化に対応するために国が定めた助成金の制度です。

特定不妊治療費助成制度で受け取れる助成額

特定不妊治療費助成制度を利用すると、体外受精や顕微授精など健康保険の対象外の治療に対し初回は30万円まで、それ以降は7万5,000円〜15万円までの助成金を毎回受け取ることが可能です。

助成金を受け取れる回数制限は、妻が40歳未満なら最大6回、40歳以上は3回です。

特定不妊治療費助成制度を全ての人が受けられるわけではない

冒頭で、全ての人が特定不妊治療費助成制度を利用できるわけではないとお伝えした通り、こちらの制度にはいくつもの制限が設けられています。

特定不妊治療費助成制度の利用を考えているのであれば、その利用条件をしっかりと理解しておく必要があるでしょう。

特定不妊治療費助成制度を受けられない場合について

それでは、特定不妊治療費助成制度が受けられない場合について見ていきましょう。

夫婦が未婚・事実婚である場合

特定不妊治療費助成制度は、法律上の正式な夫婦に適用される助成制度です。そのため、残念ながら入籍をしていないカップルは制度を使用することができません。

指定医療機関を利用す必要がある

全てのクリニックで行った治療が助成対象になるわけではなく、指定された医療機関での治療が条件になります。

指定の医療機関は、お住まいの自治体のホームページにて確認してください。

妻の年齢が43歳以上である場合

不妊治療の開始時に妻の年齢が42歳以下でなくてはいけません。特定不妊治療費助成制度には妻の年齢に制限があり、43歳以上の場合は対象外となります。

前年度の夫婦の所得合計が730万円以上である場合

制度を利用するためには夫婦の所得制限も設けられており、前年度の夫婦の所得合計が730万円以上の場合には助成金の対象外となります。

ただし、東京都在住の方の場合は、所得制限が905万円まで引き上げられます。

ちなみに所得は、収入から必要経費を引いた金額ですので、収入で計算しないようにしましょう。

特定不妊治療費助成制度の申請のタイミング

特定不妊治療費助成制度の申請期限は、お住まいの自治体によって変わります。一例としては「不妊治療を実施した年度内まで」などが多いようですが、確認しておく必要があるでしょう。

まとめ:特定不妊治療費助成制度を受けられない場合とは

特定不妊治療費助成制度を利用すれば、不妊治療の負担を軽くできますが、それにはいくつもの利用制限があることを忘れてはいけません。

お住まいの自治体によって提出書類や申請期限が変わるものですので、制度の利用を検討しているのなら、直接問い合わせをして詳細を確認しておきましょう。

高額な費用が必要となる不妊治療の費用を、少しでも助成金でカバーできると良いですね。

よしこ先生
よしこ先生

なぜ助成に制限があるの?回数制限、年齢制限は必要ですか?よく聞かれる質問です。実際私も不妊で悩む多くのご夫婦と接しながら『不妊治療におけるご夫婦の負担金額がもう少し低くなれば』と何度も思ってきました。が、実際はこの助成金は私たちの税金、皆さんの血税により支払われています。無限に財源があるわけではない。現実的にご夫婦の年齢とともに妊娠率も減少していきます。今ある助成制度に感謝し、その貴重なチャンスを活かしながらぜひとも赤ちゃんを抱いていただけたらと願っています。

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