2020.12.9

なぜクラミジアが不妊に関係あるとされているのか?

クラミジアと聞くと、皆さんはどのような症状を思い浮かべますか?もしかすると、よくある性病のひとつとして軽くお考えの方も少なくないかもしれません。

しかし、クラミジアは自覚症状が現れにくいこともあり、早期に治療するのが難しい性病でもあるのです。そのため気づいた時には、炎症が広がり不妊症の原因となることもあります。

今回は、クラミジアがなぜ不妊と関係があるとされているのか、という点をテーマにお届けしていきます。

なぜクラミジアと不妊が関係するの?性器に症状が出るため不妊にも関係が…

クラミジアはクラミジア・トラコマチスという菌が、性交渉などで感染してしまう性病です。性病の中でもメジャーなもので、日本国内でも感染者は若年層を中心に増加しています。

クラミジアが感染するのは、

  • 咽頭
  • 性器
  • 肛門

などの粘膜です。

中でも、性器に感染した場合は子宮頸管から始まり、卵管や卵巣に炎症が広がる可能性があります。卵管は細い器官ですので、炎症が起きると詰まりやすくなり、精子が上手く通らなくなることもあるのです。

男性は女性と比べるとクラミジアに感染しにくいとされていますが、感染すると尿道に炎症が起こる傾向があります。

どちらの場合も、そのまま長い期間放置すると不妊や子宮外妊娠のリスクが高まる恐れがあります。クラミジアに感染していても自然妊娠をする人もいますが、症状がないからといって自然治癒はしませんので、出産時に新生児へ母子感染するケースもあるようです。

赤ちゃんがクラミジアに感染すれば、結膜炎や肺炎の症状が出ると言われています。

性器ヘルペスとはどんな性感染症?不妊にも関係あるのか?

なぜクラミジアに感染する?感染経路として考えられる例

クラミジアは、性交渉によって感染します。

  • 性交渉
  • オーラルセックス
  • キス

などが経路になります。

たとえば、セックスをしておらずオーラルセックスだけであっても、感染リスクはあります。

これは咽頭クラミジアと呼ばれるもので、症状が出にくいことから気づかぬまま、自分だけでなく他の人に移してしまうことも珍しくありません。

また、クラミジア感染者の粘膜に接触した手で目をこすると、結膜炎として症状が出る例もあります。

クラミジアを予防することはできるの?

クラミジア感染を予防するためには、

  • コンドームをしっかり使用すること
  • 不特定の人と性交渉をしないこと

が有効だと考えられます。

油断しがちなのがオーラルセックスや、ピルの服用時です。感染を防ぐためには、口腔性交の時もコンドームを着用するように心がけましょう。

クラミジアに感染すると不妊になる確率が上がる?

クラミジアによる不妊はどんな治療をする?

不妊の原因がクラミジア感染だと分かった場合、まずはクラミジアの治療を行いましょう。

抗生物質を服用して、細菌を死滅させ確認検査を行います。

卵管に炎症が起きていたり、卵巣周辺に癒着ができていたらクラミジア治療後も不妊治療が必要です。

具体的な内容は症状の内容によって変わってきますが、子宮卵管造影をして卵管の通りに問題がなければ一般不妊治療を選択します。

卵管が癒着していたり、通過しにくい状態であることが判明したら、腹腔鏡検査をして癒着剥離や体外受精などに移ります。

クラミジアに感染したら何科に行けばいいの?

クラミジアの疑いや、自覚症状がある場合は次の科へ受診してください。

女性婦人科(産婦人科)、性感染症内科(性病科)
男性泌尿器科、性感染症内科(性病科)
咽頭耳鼻咽喉科、性感染症内科(性病科)

クラミジアの場合は性感染症の専門外来や、詳しいクリニックを利用するとよいでしょう。

受診にかかる費用は?

クラミジアのみの治療の場合、必要な費用目安は以下の通りです。

診察料:5,000円前後

検査費用:4,000円以上

内服薬:4,000円以上

保険が適用された場合は、上記金額の3割の負担となります。

まとめ:なぜクラミジアが不妊に関係あるとされているの?

いかがでしたか?今回の内容で、なぜクラミジアが不妊に関係があるのかお分かりになったことでしょう。

クラミジア感染が原因の炎症が卵管や卵巣に広がると、不妊の確率が高まると考えられています。

症状が拡大してしまうと、根本のクラミジアだけの治療とは別に、不妊治療も行わなければなりません。少しでも怪しいなと思うことがあれば、婦人科や性感染症内科などに相談の上、検査を受けましょう。

よしこ先生
よしこ先生

クラミジアはおりものの増加や不正出血などが起こったらわかりますが、自覚症状がない方も多いため、不妊で悩むみなさんにまず行っていただきたい検査の一つです!妊娠後の赤ちゃんを守るためにもこの検査は重要。特に、膀胱炎になりやすい。冷えが強い。疲れやすい。など免疫力に自信がない方は、要注意です!!赤ちゃんがほしい!と思ったらまずは不妊検査を!!

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