2020.12.8

子宮内膜症の特徴や症状!不妊との関係はあるの?

女性特有の疾患のひとつである子宮内膜症は、月経痛などの症状が特徴です。子宮内膜症は近年増加しており、めずらしい疾患ではありませんが、不妊の原因になるためこれから子どもを望む方は気にかけておくべきでしょう。

そこで本記事では子宮内膜症の特徴や症状、不妊との関係について解説します。

子宮内膜症とは?不妊との関係について

子宮内膜症とは、子宮内膜の組織が子宮の外で増えてしまう疾患です。子宮内膜症を発症すると骨盤内で慢性的に炎症がおきている状態になりますので、腹水が溜まりやすくなります。

それによって免疫系の問題がおこり、卵子の質が悪くなったり発育しにくくなるといったことにつながります。

卵巣で内膜症が発生して腫瘍となったものは「チョコレート嚢胞」と呼ばれ、癌化しやすいとされますので注意が必要です。また、チョコレート嚢胞は、大きくなると妊娠しにくくなります。

通常の子宮内膜は、妊娠が成立しないときには定期的に剥がれ落ちて血液、月経となって体の外に排出されます。

子宮内膜症があると、子宮以外にできた内膜組織が卵巣や腸で出血するため、卵管や卵巣の癒着を引き起こし、卵管、卵巣での卵子の移動や排出を阻害して不妊の原因となります。

ちなみに、女性ホルモン、エストロゲンが子宮内膜症に関与していますので、昨今の女性の晩婚化や少子化で患者数が増加しているとされ、閉経すると自然に軽快することがほとんどです。

子宮内膜症の症状について~ダグラス窩癒着病変・卵巣チョコレート嚢胞~

子宮内膜症でみられる症状

子宮内膜症で多く見られる症状は冒頭でもお伝えしたとおり、月経痛になります。

子宮内膜症があると子宮内で炎症が起こっている状態ですので、月経による収縮などでかなり強い痛みを感じ、内膜症が進むほど月経痛はひどくなっていきます。

また卵巣周りで癒着がおきているのであれば、子宮の収縮が妨げられますので月経が長い、量が多い、不正出血やおりものの異常などがみられることもあります。

ほかにも、月経期間以外でも腹痛があったり、性交痛や排便時の痛みといった症状がみられる場合もあります。

さらに、尿管で内膜症を発症した場合には血尿などの症状があります。子宮内膜症は徐々に進行する疾患ですので、月経痛が強い場合や、家族で子宮内膜症をもつ人がいるなどであれば、検診を受けておくと安心です。

子宮内膜症と不妊の治療

子宮内膜症があると妊娠できないということではありませんが、内膜症が不妊の一因であることは事実です。症状の程度や状況に合わせて適切に対処することで、子どもを授かりやすくなります。

それでは、子宮内膜症と不妊の治療について見ていきます。

待機療法
内膜症が軽い場合で、性交のタイミングをはかって妊娠を待つ方法です。内膜症以外の不妊原因がある人にも適用され自然妊娠につなげます。
腹腔鏡下手術
重症の子宮内膜症で適応されます。腹腔鏡をつかって内膜症を切除、卵管や卵巣の癒着を取り除きます。腹腔鏡下手術によって約3割程度の女性が自然妊娠するとされ、自然妊娠が難しい状況であれば、術後に体外受精や排卵誘発など積極的不妊治療に進みます。
ホルモン療法
子宮内膜症の進行を止めて、病巣を小さくするためにホルモン療法が使われます。薬物を使って、妊娠した状態または閉経後の状態にしますが、それぞれに特徴がありますので個人の状況によって使い分けられます。

子宮内膜症を持つ人の不妊治療はそれぞれにメリット・デメリットがあるため、個人の年齢や内膜症の状態によって選ばれます。

まとめ:子宮内膜症の特徴や症状!不妊との関係はあるの?

いかがでしたか?今回は子宮内膜症をテーマに、特徴・症状・不妊との関係について解説しました。

子宮内膜症は女性によくみられる疾患ですが、妊娠の妨げとなることがあるため、適切な対処が望まれます。また、内膜症の状況によっては癌化の可能性もありますので注意しましょう。

月経痛がひどいといった症状がある場合はもちろん、定期的な検診で早期に対処することが大切です。

よしこ先生
よしこ先生

気になる方はまずは検査を!!!早期発見、早期対応が1番の鍵です。治療法は先生が専門ですから病院におまかせし、私たちは生活習慣を整えていくことに専念しましょう!!

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