2020.12.8

子宮筋腫で不妊になる確率と考えておくべきこと

女性の4人に1人の確率でみられる子宮筋腫は、ありふれた良性の疾患で悪性に移行する心配はほとんどありません。

ただし、月経痛がつらいといった症状があったり、これから先に妊娠を希望する女性にとっては、不妊や流産の原因にもなりますので慎重に考えておくべきでしょう。

そこで本記事では、

  • 子宮筋腫の種類と症状
  • 子宮筋腫と不妊の関係
  • 子宮筋腫による不妊の確率
  • 内視鏡を使った治療のメリット

以上の点を解説していきます。

子宮筋腫の種類とそれぞれの症状

子宮筋腫は、小さく無症状のものも含めると、45歳までに約70%の女性が経験する疾患といわれています。これは子宮壁にできる良性の腫瘍で、女性ホルモン・エストロゲンが原因であるため閉経後は自然に小さくなります。

子宮筋腫ができている位置や数、大きさによっては経過観察とされることも多いのですが、その種類によっては妊娠の妨げになるため、子どもを望む場合は薬物治療や手術など適切な対応が必要です。

子宮筋腫そのものが不妊の原因になる確率は1~2%です。粘膜下筋腫と呼ばれる子宮の内側に突出タイプの腫瘍であれば着床がしにくくなり、漿膜下筋腫や、子宮の筋層内にできる筋層内筋腫は、場合によっては不妊の原因になりますので、個人の状況に応じての対応となります。

子宮筋腫のタイプやできている場所次第では、胎盤の症状や胎児の発育不全など、妊娠後の胎児の発育にも影響します。そして、出産時に筋腫が妨げとなって通常分娩が難しく、帝王切開となることもあります。

また、母体側も子宮筋腫があると、妊娠中の強い痛みや、出血があるといった症状がみられることもあります。

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子宮筋腫があっても妊娠できる?

子宮筋腫があるからといって妊娠ができないというわけではありませんが、筋腫がある人の方がない人に比べ妊娠する確率は低くなります。

妊娠を希望するのであれば、手術で子宮筋腫を取り除くという方法がとられますが、この場合は手術によって子宮壁が薄くなることから、妊娠時に子宮破裂のリスクがあり、それを避けるために、早い段階での帝王切開などの処置がされます。

子宮筋腫を手術で摘出したあとは、傷が治癒するまで半年程度のインターバルをおいての妊娠が望ましいのですが、母体が高齢の場合などはできるだけ早く不妊治療をすることが望ましいため、慎重な対応が必要です。

内視鏡手術を使った不妊治療のメリット

あらゆる疾患の治療に内視鏡が使用されていますが、不妊治療においても有効とされ自然妊娠を目指す人が利用しています。

子宮筋腫や子宮内膜症、卵管癒着、子宮内膜ポリープといった婦人科疾患治療に内視鏡が使われます。

内視鏡を使うことで、一般的な手術に比べて傷が小さく抑えられて体への負担が減ることから、これら子宮周辺の疾患治療であれば、術後すみやかに不妊治療に進むことができるというメリットがあります。

時間が勝負の不妊治療では、内視鏡は期待される治療法として注目されています。

まとめ:子宮筋腫で不妊になる確率と考えておくべきこと

子宮筋腫があることで不妊になる確率や可能性、治療について知っておくべきことについて解説しました。

子宮筋腫は多くの女性に見られる婦人科疾患で、重篤になることは滅多にありません。しかしながら、これから子どもを持つことを考えるのであれば、不妊や胎児の不育の原因になることもあるので慎重な対処が必要です。

手術については状況に応じて内視鏡を使うなど、できるだけダメージのない方法について相談してみるのもよいでしょう。

子宮筋腫は、時間が経つにつれて大きくなる腫瘍で、何の自覚症状も見られぬまま筋腫が成長していることも珍しくありません。

先を見据えて、定期健診での早期発見、適切な治療が望ましいといえます。

よしこ先生
よしこ先生

子宮筋腫。実は私も4つ持っています。私自身が不妊の検査でそれが判明。でも大きさや場所が悪くなかったのでこのまま妊娠できるよ!と言われ、2人の子供を自然妊娠できました!まずは検査を行い担当医師とともに方針を決めてみてくださいね!!

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