赤ちゃんが欲しいと思い妊活を進めているのに、実際には妊娠の仕組みについて基本的な知識が不足している方が多いようです。
「排卵日にセックスをして、運が良ければ妊娠する」という認識は間違ってはいないのですが、より正確な情報を知っておくべきでしょう。
本記事では、妊娠の仕組みの基本的なことを分かりやすく解説していきます。
女性の体を知る
妊娠の仕組みを学ぶ前に、女性の体についての理解を深める必要があります。
まずは、女性の体にある妊娠するための能力について見ていきましょう。
女性は生まれた時から卵子を持って生まれる
女性は卵子、男性は精子を生殖のために必要とします。男性の精子は精巣で作られ続けるものですが、女性の卵子は女性が胎児の間に用意されているものです。
母親のお腹にいる間に胎児のお腹の中に卵子がつくられ、出生時の赤ちゃんには約200万個の原始卵胞がプログラムされているのです。
この原始卵胞は女性が初潮を迎える頃には約30万個に減っています。そして排卵の有無に関わらず、毎月約1000個の卵子が減り続け、実際に排卵される卵子は一生を通しても400〜500個程度だと言われています。
初潮後の女性は排卵と月経を繰り返す
初潮後の女性の体は、排卵と月経を繰り返して妊娠に備えます。まず排卵の3ヶ月前頃に卵巣内に眠っている原始卵胞から約1000個の卵子選ばれて成熟が進められ、最終的には1つの勝ち残った卵子のみが排卵できるのです。
妊娠の成立について
卵子の排卵について理解したところで、ここからは妊娠の成立である受精と着床についてを知りましょう。
排卵される卵子は、非常に狭き門と言える確率で選び抜かれたものであるいうことが分かりましたが、妊娠までの過程にはさらに気の遠くなるような確率の過程があるのです。
排卵後の卵子と子宮内膜
排卵された卵子は卵管采にキャッチされて卵管の中に取り込まれます。
一方で排卵後の卵胞には血液が流れ込み、脂肪の塊のような黄体に変化します。この黄体から黄体ホルモンが分泌され子宮内膜を厚くして、子宮を着床しやすい状態に整えるのです。
精子との出会い
排卵の頃に女性の体内では、より精子が通りやすいように頸管粘液が分泌されています。射精された精子は頸管粘液の力を借りて子宮頸管というトンネルを通り卵管へ進入します。
射精される精子の数は約1億個と言われていますが、実際に卵子まで辿り着ける精子は数十〜数百個です。
受精の成立
卵子に到着した精子は卵子に群がり、卵子の外側を覆う顆粒膜細胞を通り抜けます。
この行動は何十個の精子が協力して行うのですが、実際に卵子の内側である透明帯に入れる精子は一個だけ。
一個の精子が卵子の透明帯に入り込んだ瞬間に、卵子にバリアが張られてしまうのです。
この精子が卵細胞内に入り込み、受精が完了します。
受精卵の動きと着床
受精が成立したとしても、まだ妊娠の成立とは言えません。受精した受精卵は細胞を増やしながら卵管から子宮へと約4日間かけて運ばれます。
子宮に到達した頃の受精卵は肺盤胞という形態まで成長し、排卵から5日〜7日後に子宮内膜に絨毛状の根を張ります。
受精3週間後に胎嚢が確認できる
着床後の受精卵は、子宮内膜から酸素や栄養を吸い上げて成長し続けます。一般的には受精から3週間後に超音波検査で胎嚢が確認できるようになり、5週間後には胎児の身長が1cm程度まで成長します。
胎嚢及び胎児の心拍が確認されると病院で妊娠と判定され、母子手帳を手にすることになります。
まとめ:人はどのようにして妊娠する?妊娠の仕組みを理解しよう
妊娠の仕組みを知ると、妊娠は非常に神秘的な奇跡の繰り返しが起こすものであると感じられるのではないでしょうか?
妊活を進める前に、赤ちゃんができる仕組みをよく理解しておきましょう。