2020.10.5

不妊治療で用いられる漢方について

「不妊治療をなるべく体の負担がないように進めたい…」

「漢方で不妊治療を進めていくのは実際のところどうなのだろう…」

このような疑問や悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?

不妊治療では、治療薬によって不妊改善を目指すこともありますが、不妊治療薬の副作用を心配されて、漢方を利用されている方も多くいらっしゃいます。

そこで今回は、不妊治療で使用される漢方をテーマにお届けします。

不妊治療の漢方の考え方と効果について

漢方治療は、一般的な病院での治療である西洋医療とは違った観点から、症状を改善するためにあります。

西洋医療が検査・原因の追及・投薬や治療を実施するのに対し、漢方治療は患者一人一人のコンディションを正常な状態に戻して、病を治すために進められるものです。

漢方における不妊治療

漢方による不妊の治療と、西洋医学での治療を比べてみましょう。

たとえば無排卵を西洋医学で治療する場合には、適切なホルモン投与を行なって排卵を促します。

漢方治療の場合はその人に合わせた漢方を選び、血液や気の流れを整えて体質を改善させ、排卵が起こるようにします。

どちらも結果として排卵を目指すものですが、両者のアプローチは違ったものであることが分かりますね。

妊娠しやすい体づくりをサポートするのが漢方薬

不妊の治療で最も多い、冷えや月経トラブルを改善するために漢方薬を取り入れます。

血の巡りが良くなり、子宮や卵巣にホルモンも行き渡りやすくなれば、女性の体は妊娠しやすい状態になるという考え方です。

漢方薬を使用して血の巡りを良くすることは、不妊以外にも月経痛月経不順子宮筋腫不正出血子宮内膜症にも効果があり、便秘や冷え性にも良いと言われています。

不妊治療に使用される漢方薬

ここからは、不妊治療でよく使用される漢方薬を紹介しましょう。

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
冷え性や月経困難などに効果があり、全身に栄養素や熱を行き渡らせるようになります。
当帰建中湯(トウキケンチュウトウ)
体を温め血行を良くし、冷え性の改善に効果的です。
温経湯(ウンケイトウ)
お腹・脈が弱い方に効果があり、不妊治療のサポートとしてよく使用される漢方薬です。更年期障害の時にも処方されることが多い薬です。
捕中益気湯(ホチュウエッキトウ)
男性不妊症に効果的で精子の運動状態を改善させます。体力がなく疲れやすい時にも効果的です。

漢方薬を飲むときに注意したいこと

漢方薬は個人の体質に合わせて処方されますが、それでも使用を続けるには注意するべきことがあります。

ここからは漢方薬を飲むときに注意するべきことをお伝えしましょう。

病院での検査や治療も行う

漢方を使用して体質が改善し、妊娠しやすくなるという多くの事例がありますが、西洋医療で検査を受けて、絶対的な問題がないかを確認しておく必要があるでしょう。

たとえば卵管に癒着があったり、子宮内にポリープがあるような状態を漢方で治すことはできません。

漢方治療を受けるときには、可能な限り西洋医療と併用するようにしましょう。

漢方薬にも副作用はある

漢方薬は自然の生薬なので、通常の薬と比べて副作用が起きにくいと考えられています。

しかし胃腸の弱い人の中には吐き気胃もたれ胸焼け下痢などを起こす場合もあります。

漢方薬を飲んでいて、体調にいつもと違う気になる症状があるときには、医師や漢方相談員に確認しましょう。

まとめ:不妊治療で用いられる漢方について

今回は、漢方薬を使用した不妊治療について、西洋医療との違いや効果を説明いたしました。

最近では不妊治療専用のクリニックで漢方薬が処方されることも多く、不妊の改善のために漢方はより身近なものになったと言われています。

漢方薬を使用する際には担当医に相談し、治療の併用を希望しましょう。

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