不妊治療は検査をしても原因が分からないことが少なくないため、より治療が難しいと言われています。
原因が分からない不妊は生活習慣の影響を受けていることが多く、生活習慣の改善などで少しずつ状態が良くなることもありますが、そのようなときに体質改善の手助けをしてくれるものとして漢方があります。
そこでこの記事では、漢方を選ぶときに重要になる自分の体質について、自分でできる体質チェックの方法を解説していきます。
漢方は自分に適したものを選ぶ必要がある
自分に最適な漢方を選ぶためには、漢方を取り扱っている薬局で相談をしたり漢方を処方する病院に行くのが一番ですが、まずは自分の体質を知っておくと良いでしょう。
漢方では人間の体を司る「気」「血」「水」のバランスを整えるのですが、自分自身は今どのようなバランスになってしまっているのかをセルフチェックで確認することを推奨します。
自分の体の問題を7パターンに分ける
まず、漢方の考え方で自分の体が抱えている問題を7パターンに分けてみましょう。
自分の体の状態が分かると、生活習慣の見直しもしやすくなります。
【気虚】
「気」が不足していて疲れや倦怠感を感じやすい状態で、免疫力が低下しがちです。
【陽虚】
エネルギーが不足している状態で、体が冷えやすく寒さに弱くなっています。
【陰虚】
水分が不足しており、イライラしたり怒りっぽくなりやすい状態です。
【血虚】
「血」が不足しており体に栄養が行き渡っていません。貧血やめまいが起こりやすい状態です。
【痰湿】
代謝産物が溜まりやすく、体の老廃物が排出されにくくなっています。太りやすい状態であると言えます。
【気滞】
「気」の巡りが悪く、自律神経系に悪影響を与えている状態で、ストレスを感じやすくなります。
【瘀血】
血の流れが悪く循環が滞っています。あざやシミができやすくなります。
自分でできる体質チェック
ここからは、自分の体質が今どのような状態であるかを確認してみましょう。
先ほどご紹介した7つのパターン別にチェックしていきますが、症状に当てはまるものが多いほど、その傾向があるということです。
気虚
- 不正出血がある
- 胃腸が弱く便秘や下痢になりやすい
- 風邪などを引きやすい
- 食欲不振か過食
- 気力がなく疲れやすい
- 食後眠気を感じる
- むくみやすい
上記に該当するものが多ければ、疲れやすい体と言えますので、無理のない範囲で運動をすることをおすすめします。
陽虚
- 腰痛になりやすい
- 足腰が弱い
- 目が疲れやすく耳鳴りがする
- 抜け毛や白髪が多い
- 寝ても眠気が取れない
- 足が冷える
- 夜中にトイレに起きることがある
上記に該当するものが多ければ、寒さに弱くなっていますのでなるべく冷たい食べ物は避けるようにしましょう。
陰虚
- 月経周期が短い
- 乾燥肌で唇が割れやすい
- 喉がよく乾く
- 疲れると手足の裏がほてる
- 便秘がち
- 頭がのぼせやすい
- 尿の頻度が少ない
- 熱っぽい
上記に該当するものが多ければ、こまめな水分補給や水分を多く含んだ果物を口にするように心がけましょう。
血虚
- 月経血が少ない
- 物忘れが多い
- 髪が抜けやすい
- ドライアイで視力が下がりやすい
- 手足が痺れやすい
- 爪が割れやすい
- 顔色が悪い
上記に該当するものが多ければ、血を補う栄養としてビタミンB12や鉄分を摂取するとよいでしょう。
痰湿
- おりものが多い
- 車酔いしやすい
- 体がだるく雨の日は体調が悪い
- 肌がくすむ
- 頭が重いと感じる
- 下痢になりやすい
- むくみやすい
上記に該当するものが多ければ、ゆっくりお風呂に浸かったり、軽い運動をして発汗を促すようにしましょう。
気滞
- 月経前に胸が張る
- イライラしやすい
- 目が充血しがち
- 不眠
- 頭痛になりやすい
- 腹部に膨満感があり便秘がち
- ストレスを感じやすい
上記に該当するものが多ければ、自分の好きなことを行ったりリラックスしたりして、リフレッシュを心がけましょう。
瘀血
- 月経血に塊が出る
- 日焼けしやすい
- 肩が凝りやすい
- 歯茎や唇の色が悪い
- 便秘がち
- 肌がくすみ目の下にクマができやすい
- シミ・そばかすができやすい
- 手足がしびれやすい
上記に該当するものが多ければ、運動で血行を促進させたり十分な睡眠をとったりして、生活習慣を整えましょう。
まとめ:不妊の漢方選びをするための体質セルフチェック
漢方薬を取り入れれば体質の改善ができますが、まずは自分の体質を知らなくては漢方を選べません。
今回ご紹介したセルフチェックを参考に自分の体質を理解し、体質を改善させていきましょう。体質が変われば不妊治療がスムーズに進む可能性も期待できます。