一般的なクリニックや病院で行われている治療は西洋医学になりますが、クリニックによっては不妊治療で東洋医学である漢方を用いた治療を勧められることがあります。
不妊治療以外で今までに漢方を利用している方なら漢方薬の使用に不安はないと思いますが、そのような経験のない方は漢方の服用に抵抗を感じてしまうこともあるでしょう。
そこでこの記事では、不妊治療でよく使用される漢方の種類や効果についてまとめました。
不妊治療に漢方を取り入れるかどうかを迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
東洋医学で行われる漢方治療とは
東洋医学の歴史は長く、その大きな特徴は一人一人に適した治療として漢方薬を用いることです。
病気を治療するという考えの西洋医学と違い、自分の体を作っている「気」「水」「血」を整えて、結果的に病気を自力で治していくという考え方をしています。
そのため病気の治療だけでなく、病気の予防や健康維持を目的として日常的に漢方を用いる方もいるのです。
東洋医学の考え方である「気」「水」「血」について
東洋医学では、先述したように人間の体は「気」「水」「血」で作られていると考えられています。漢方の効果を知る前に、それぞれの役割について理解を深めましょう。
- 「気」経路を通じて体全体まで行き渡る流れ
- 「水」細胞の中の水分を含めて体のすみずみまで行き届く流れ
- 「血」血管を通じて体全体を巡る流れ
これらの流れが乱れている状態では、病気にかかりやすく健康的に過ごすことができないとされているため、流れを整えるために漢方を用いるのです。
漢方薬で改善が期待できる不妊に効果のある作用
漢方薬を用いた治療では、どのような効果を期待できるのでしょうか。
漢方薬を服用することで期待できる効果をご紹介します。
- 月経不順・生理
- 月経前症候群(PMS)
- 無月経
- 無排卵周期症
- 冷え性
漢方薬には、その他にもめまい・のぼせ・動悸・頭痛などを改善する効果もあります。
不妊治療で使用される漢方薬について
ここからは、具体的に不妊治療でよく使用される漢方薬の種類と効果を解説していきます。
不妊治療で使用される漢方薬①:温経湯(ウンケイトウ)
温経湯は手の平は温かいのに足腰が冷えている・また口内・皮膚が乾燥している方向けの漢方薬で、月経不順・無月経・不妊への効果が期待できます。
不妊治療で使用される漢方薬②:当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
当帰芍薬散は冷え性・顔色が悪い・疲れやすい・めまい・肩こり・耳鳴り・動悸・むくみを伴う月経不順・月経痛・不妊に効果がある漢方薬です。
むくみやめまいの原因となる体内の水の停滞を軽減し、血の流れを調整して顔色を良くするなどの作用があり、不妊はもちろん流産防止のために長期的に服用することが勧められています。
不妊治療で使用される漢方薬③:加味逍遙散(カミショウヨウサン)
加味逍遙散は、不安・鬱・苛立ちなどが原因となる月経周期の乱れや不妊に効果のある漢方薬です。
ストレスなどを抱えてしまっている精神神経症状を緩和し、心を落ち着かせる作用があります。
まとめ:不妊治療のための漢方薬の種類と効果を分かりやすくご紹介!
今回は、不妊治療で使われることの多い漢方薬の種類と効果について詳しくご紹介しました。
不妊治療を始めるまで漢方薬を使用したことがなかった方は、漢方の使用に不安を感じてしまうと思いますが、東洋医学は体の根本から体質を改善することが期待できる治療が可能です。
西洋医学と東洋医学の両方を取り入れれば、2つのアプローチで不妊治療を進められるでしょう。