不妊治療を進めるために、さまざまな種類の薬を服用・投与されますが、クリニックによっては薬の効果や作用に関する説明が不足していたり、説明時に専門用語が多くて理解しにくいと感じている方もいるようです。
そこで、この記事では不妊治療で一般的に用いられる薬について説明いたします。
薬の作用などがよく分からないまま服用を続けているのであれば、ぜひ参考にしてください。
不妊治療で使用されることが多い薬の種類
不妊治療中に使用される薬とは、妊娠をする薬ではなく妊娠しやすい体を作る作用のある薬のことで、排卵を促したり卵巣の環境を整える作用が期待できます。
それぞれの作用を大まかに分けると6種類に分別できるため、ここからは不妊治療で使用される薬を6つに分けて見てきましょう。
不妊治療で使用される薬①:排卵誘発剤
不妊治療で使用される薬の代表とも言える排卵誘発剤は、卵胞を育てる・排卵を促す作用があります。
無排卵や排卵障害の女性にも使用でき、人工授精や体外受精をする場合に多くの卵胞を育てるためにも用いられます。
排卵誘発剤にはさまざまな種類があり、飲み薬・注射剤の両方が存在していますが、通常は作用が緩やかな飲み薬から開始することが多いようです。
【排卵誘発剤の例】
飲み薬 | クロミッド・フェマーラ・セキソビット |
注射薬 | ゴナールF・HMGフジ・HMGフェリング フォリスチム・コーナーピュール |
不妊治療で使用される薬②:卵胞ホルモン剤
子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に整えるために、卵胞ホルモン(エストロゲン)を補充する薬です。
皮膚から成分を吸収させることもできるので、飲み薬以外にも貼り薬・塗布薬が用意されています。
塗布薬は形状によって使用箇所が変わるため、医師の指示に従って使用してください。
【卵胞ホルモン剤の例】
飲み薬 | ジュリナ・プレマリン |
貼り薬 | エストラーナテープ |
塗布薬 | ディビゲル・ル・エストロジェル |
不妊治療で使用される薬③:黄体ホルモン剤
受精に成功した受精卵を着床しやすくし、妊娠を継続しやすくするためのホルモンである黄体ホルモン(プロゲステロン)を補充する薬です。
飲み薬だけでなく、注射薬と膣坐薬も用意されています。
【黄体ホルモン剤の例】
飲み薬 | デュファストン・ルトラール |
注射薬 | プロゲホルモン・プロゲステンデポS |
膣坐薬 | プロゲステロン膣坐薬 |
不妊治療で使用される薬④:黄体ホルモン配合剤
卵胞ホルモンと黄体ホルモンを補充する薬で、体を無排卵状態にして卵巣を休ませる作用があります。
一時的に卵巣を休ませることで、良い状態の卵胞ができる可能性が期待できます。
【黄体ホルモン配合剤の例】
飲み薬 | ルラジオン・プラノバール・ソフィアA混合錠 |
不妊治療で使用される薬⑤:GnRH
GnRHを使用すると一時的に閉経状態になるため、不妊治療では体外受精実施時の排卵コントロールなどで用いられます。
点鼻薬と注射剤の2種類が用意されています。
【GnRHの例】
点鼻薬 | ブセレキュア・スプレキュア・ナサニール |
注射薬 | セトロタイド・リュープリン |
不妊治療で使用される薬⑥:副腎皮質ホルモン剤
流産を防止する薬で、不育症の方などに使用されます。
また、多嚢胞性卵巣症候群で男性ホルモンが多い場合に男性ホルモンを抑制するために用いられることもあります。
【副腎皮質ホルモン剤の例】
飲み薬 | プレドニン |
まとめ:不妊治療で使われる薬の種類とそれぞれの効果を解説!
今回は、不妊治療で使われることの多い薬の作用や効果について説明しました。その作用や効果を知らないままさまざまな薬を服用していると、不妊治療への不安をより大きなものにしてしまうでしょう。
病院で聞きにくいと感じるのなら、自分で調べるなどの方法を用いて、服用する薬への理解を深めてください。