2020.10.30

不妊治療で使われる注射薬の種類と副作用について

不妊治療ではさまざまな種類の薬の力を借りて排卵を促したり、ホルモンを調整して治療を進めていきます。

薬は経口薬が処方される場合と注射薬が投与される場合がありますが、注射と聞くと副作用や効果に不安を感じてしまう人もいるようです。

そこでこの記事では、不妊治療を行うときに使用されることが多い注射薬についてその効果などをご紹介します。

「不妊治療を始めたいけれど注射薬に不安を感じている」という方は、ぜひ参考にしてください。

不妊治療で使用されることが多い注射薬の作用と副作用の一覧

まずは、不妊治療で使用される頻度の高い注射薬の作用と副作用を具体的に解説していきます。

一般的に注射薬は経口薬よりも効果が強力な場合が多いため、その副作用が発生しないように医師は経過を見ながら投与間隔や回数を調整していきます。

そのため、注射薬を投与されて体調が普段と違うと感じるのなら我慢せず、なるべく早く病院に相談するようにしてください。

不妊治療で使用される注射薬①:hMG注射

hMGは、排卵誘発剤の経口薬を服用しても効果が認められない場合に使用される注射薬です。

正式名称は「ヒト閉経後ゴナドトロピン」といい、生理開始後2〜7日目に複数回注射すれば、卵巣を刺激して卵胞発育を促すことが可能になります。

副作用として卵巣過剰刺激症候群を引き起こす可能性があり、大半の場合は安静にして様子を見ますが、医師は効果や副作用を見ながら投与の回数や間隔を判断する必要があるでしょう。

不妊治療で使用される注射薬②:hCG注射

hCGとは正式名称「ヒト絨毛性ゴナドトロピン」のことで、発育後の卵胞を排卵させる機能があり、黄体の活性化や高温期の持続を促します。これは、男性不妊症にも用いられる注射薬です。

副作用はhMG注射と同様に、卵巣過剰刺激症候群を引き起こす可能性があります。注射後に体調に変化があった場合には、すぐに病院に連絡する必要があるでしょう。

不妊治療で使用される注射薬③:FSH注射

FSHは、遺伝子組み換えの方法で作られた純度の高い下垂体性腺刺激ホルモンです。

卵子を育てるために用いられ、一般不妊治療・高度不妊治療の両方で活用されています。

生理開始後2〜3日目から6〜14日間毎日注射することで、卵巣を直接刺激して卵胞発育を促す効果があります。

副作用としてはその他の注射薬と同様に、卵巣過剰刺激症候群を引き起こす可能性があります。

また一部のFSH注射薬には、排卵数が増えることで多胎妊娠率が増加する副作用も認められています。

hMG注射薬と同様に、排卵誘発剤の経口薬を服用しても効果が認められない場合に使用される場合が多いようです。

自己注射という選択肢もある

注射薬の投与は数日おきまたは連日行われることがあるため、通院回数が多くなってしまいます。

連日の通院が困難な方も治療が続けられるように、今では自己注射という選択肢も用意されました。

自分で注射をすることに不安を感じてしまうかもしれませんが、皮下注ペンというペン型の注射での投与が可能なので、比較的簡単に自己注射ができるようになっているので安心です。

注射の方法や注射をする部位については医師の指導に従い、清潔な状態で投与できるようにしましょう。

まとめ:不妊治療で使われる注射薬の種類と副作用について

今回は、不妊治療で使われることの多い注射薬の種類と作用・副作用をご紹介しました。

不妊治療中には多くの薬の服用・投与があるため不安を感じてしまうのも仕方のないことです。

自分が今摂取している薬はどのような作用と副作用があり、何の目的を持って使用しているのかを理解した上で治療を進められるようにすれば、その不安を少しでも軽くできるでしょう。

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています