2020.12.9

妊活する前に知っておきたい風疹のリスクと予防接種の大切さ

妊活を始めようとお考えの方に確認していただきたいのが、風疹のリスクです。妊娠中に風疹に罹ると胎児感染が起こり、お腹の中の赤ちゃんに影響が出る可能性もあります。

この記事では、風疹の原因や妊娠中のリスク、予防接種を受けるタイミングについて解説していきます。

風疹について!風疹や麻疹はウイルスによって起こる

風疹は、発熱・発疹・リンパの腫れという3つの症状が出るウイルス性の疾患です。熱と同時にピンク~赤っぽい発疹が、顔から全身に出るという特徴があります。

発熱して発疹が出ることから麻疹(はしか)に似ていますが、より短期間で治ることから「3日はしか」と呼ばれることもあります。

風疹と麻疹は違うウイルスによって発症し、風疹は風疹ウイルスが原因で発症します。そして風疹は、風疹患者の咳やくしゃみなどの飛沫から感染することが多いです。

潜伏期間は2~3週間ほどで、男性の罹患率が高い傾向があります。これは感染のしやすさに性差があるというわけではなく、1977年~1995年までは中学生女子だけが予防接種の対象だったため、摂取を受けていない男性が多いことが原因なのだそうです。

風疹は解熱剤などを使った対症療法がメイン

風疹ウイルスに効果的な薬や治療法があるわけではなく、解熱剤などを使った対症療法がメインになります。発疹が消えるまでは1週間程度で、1度感染すると免疫を獲得してその後はかからなくなると言われています。

通常の場合ならこのように比較的軽症かつ短期間で終わるのですが、妊娠初期の女性が風疹に罹ると、胎児感染が起きる可能性が指摘されています。

不妊治療をする前に予防を!〜いつか子供がほしい人が今できること〜

妊娠中に風疹に感染すると胎児感染する可能性も

妊娠初期の女性が風疹に感染すると、胎児も風疹ウイルスに感染してしまいます。先天性風疹症候群といって、身体に影響が出る可能性があるとされているのです。

国立感染症研究所によると、先天性風疹症候群の件数と風疹の流行度合いは一致しているようで、確率としては高くありませんが、母親が無症状でもお子さんが先天性風疹症候群になり得ると考えられます。

先天性風疹症候群の症状としては、

  • 白内障
  • 先天性心疾患
  • 難聴

が3大症状として多く見られます。

その他には以下のような症状が出る事例も。

  • 糖尿病
  • 網膜症
  • 肝脾腫
  • 血小板減少
  • 発育遅滞
  • 精神発達遅滞
  • 小眼球

風疹と同様に、先天性風疹症候群自体には治療法はありません。上記で挙げた症状も、軽症の場合は自然に治癒する可能性もありますが、赤ちゃんの発育を待って手術が必要となるケースも少なくありません。

先天性風疹症候群を予防するためには、過去に風疹に罹患して免疫を獲得しているか、妊娠前にワクチンを摂取することが大切です。

妊活を始める前にパートナーと風疹の予防接種を受けよう

風疹の予防接種は、妊活を始める前に行っておくべきです。ワクチン接種後に妊娠が発覚した場合の胎児への影響は観測されていないものの、安全性が保証されているわけではありません。

そして、妊娠が分かっていると風疹・麻疹のワクチンは受けられませんので、妊娠を希望する女性だけでなく、パートナーや他の家族も事前に予防接種をしておきましょう。

自治体によっては先天性風疹症候群を目的として、抗体検査を無料で受けられ、抗体がないと確認された際は一部費用を助成してくれるところもあります。

まとめ:妊活する前に知っておきたい風疹のリスクと予防接種の大切さ

風疹は大人がかかると発熱や発疹など軽症で済む場合が多いですが、妊娠3ヶ月目以内の妊婦が感染すると胎児の発育に大きな影響が出る可能性もあります。

症状によっては手術も必要となるので、妊活を始める前に、風疹の予防接種をパートナーと受けることを忘れないでくださいね。

おすすめ関連記事

多嚢胞性卵巣症候群とは?排卵異常が不妊に繋がる可能性も

歯科治療を考えるなら不妊治療前に歯医者へ行ったほうがよい理由について

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています