ピルには避妊の役割以外にも、「月経前症候群の緩和」や「生理周期を整える」など多くの効果があり、さまざまな目的で使用されています。
しかし「ピルを長期間服用していると妊娠しにくくなる」という人もいます。
本当にピルは不妊に関係しているのでしょうか?この記事ではピルと不妊の関係について解説していきます。
ピルは不妊と関係があるのか?
基本的にピルは服用を止めた後の妊娠に影響を与えません。どんなに長年ピルを使用していたとしても、それと不妊は関係がないのです。
ピルの服用を止めたらすぐ妊娠できる?
ピルの服用を止めてから、ピルを飲んでいなかった時のように体を戻すには、時間はさほどかかりません。基本的には服用を中止すればすぐに排卵が再開します。
そして、中止後1回目の排卵で妊娠できた場合も胎児への影響はないのです。
しかし、実際には排卵開始までには個人差があり、排卵まで半年程度の時間が必要だった方もいるようです。
ピルを止めたのに妊娠できない場合
基本的にはピル服用を止めればすぐに排卵が再開されますが、ピル服用を止めてから排卵開始までの期間には多少の個人差があります。
もし、ピルの服用で妊娠に不安がある場合は、直接医師に相談してみることで不安は解消されるでしょう。
また、ピルを止めたのに関わらず妊娠できない状態が続く場合は、ピルに関係ない問題の可能性がありますので、病院で検査してもらいましょう。
ピルが妊娠に良い影響を与えることもある
ピルの服用は不妊に影響はないとお伝えしましたが、その逆に、妊娠に良い影響を与えることはあります。
ピルの服用によって期待できることを見てきましょう。
生理不順を整える
生理不順を整えるためにもピルが処方されます。ピルの服用中は排卵が抑制されますが、それによって生理周期を正しくできるのです。
生理不順は不妊の原因でもありますので、生理周期が整うことは妊娠しやすい体になるということですね。
子宮内膜症の予防
ピルは子宮内膜の増殖を防ぐ働きがあり、子宮内膜症の予防や治療に効果があります。
子宮を休ませられる
ピルを服用することによって、月経前症候群や生理中の体調不良を防げます。
月経周期に合わせて女性ホルモンの数値が大きく変動してしまうこともなく、卵巣に負担をかけることもありません。
生活習慣が整う
ピルを服用するためには、血栓症のリスクを避けるために禁煙しなくてはいけませんし、毎日同じ時間に薬を服用する必要があります。
すなわち、自然と体に良い生活習慣が整えられるのです。
婦人科への通院習慣ができる
日常生活のなかで体調に問題がない場合は、婦人科に通院しようと思う方は少なく、定期検診なども行かないことがほとんどでしょう。
ですが、ピルを服用し続けている人は定期的に婦人科を受診する必要があるため、それに併せて定期検診を受ける方もいます。
婦人科へ通う習慣がある場合、もし子宮に何らかの問題があれば早めに治療ができるのです。
ピルは二人目以降にも活用できる
一人目出産後、二人目の妊娠までに時間をおきたい場合にもピルは有効です。
出産後の子宮には休憩が必要ですので、ピルを飲んで卵巣をしっかり休ませることで、二人目不妊を避ける効果が期待できるでしょう。
まとめ:妊活とピルの関係は?ピルは不妊につながるの?
いかがでしたか?ピルは不妊の原因ではなく、妊娠しやすい体づくりのために良い影響があるということが分かりました。
ピル=避妊のためのものという固定概念をなくし、妊活前にピルを用いて「将来的に妊娠しやすい状態をつくる」という手段があることも知っておきましょう。
もちろん、妊活中でなくても何らかの理由でピルの使用を病院で勧められているのであれば、回数などに気を付けながら服用していきましょう。