夫婦間でセックスに関する価値観の相違があり、改善が困難であると感じている方の中には離婚を検討する場合もあります。
しかしセックスレスは離婚の正当な理由になるのでしょうか?そこで本記事では、「セックスレスと離婚」をテーマにお届けします。
Contents
セックスレスを理由とした離婚は可能なのか?
まずは、セックスレスを理由として離婚ができるのかどうかを考えましょう。
セックスレスは正当な法定離婚事由ではない
日本の民法では裁判をして離婚が可能な事由が定められています。
【民法で定められている法定離婚事由】
- 配偶者に不貞行為があったとき
- 配偶者からの悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき
- その他婚姻が継続し難い重大な事由があるとき
(民法第770条)
つまり、基本的にはセックスレスは正当な離婚理由にはならないのです。ただしセックスレスの期間やセックスを断られた頻度などが考慮され「その他婚姻が継続し難い重大な自由」として認められることもあります。
協議離婚であれば離婚理由は自由
協議離婚とは夫婦で話し合って離婚をする方法で、日本の離婚の9割は協議離婚で成立しています。
協議離婚の場合は特に離婚理由についての定めはありませんので、どのような理由でも離婚ができ、もちろんセックスレスを理由とした離婚も可能です。
セックスレスを理由とした離婚で慰謝料は請求できるのか
女性の場合は離婚後の生活に経済的な不安を感じて、離婚に踏み切れないこともあるでしょう。
ここでは、セックスレスを理由とした離婚で慰謝料を請求することは可能なのかを見ていきます。
セックスレスを理由とした離婚の慰謝料について
セックスレスは夫婦の問題であり、どちらかだけに責任があると断定しにくいことが多いため、基本的に慰謝料の請求は難しいと言われています。
しかし、実際には「夫がセックスレスの解消への努力をしなかった」という理由から慰謝料が認められた事例もあるようです。
セックスレスを理由とした離婚をする準備
セックスレスの悩みを抱えてしまっている人にとって、セックスレスに悩む日々は非常に辛いものでしょう。
参考までにセックスレスで離婚をしたいと考えている場合の、離婚に向けての流れを具体的に紹介しましょう。
相手に自分の気持ちと不満を伝える
セックスレスになっている夫婦は、セックスレスについての話し合いをすることは非常に稀でしょう。
しかし実際には当事者が離婚まで考えるほど悩んでいるのですから、セックスレスについて自分がどれだけ深く悩んでいるかを伝え、相手の意向を確認しましょう。
お互いの譲り合いが難しいようなら、離婚の話し合いに進むこともできます。
話し合いをしてもらえないのなら離婚調停に持ち込む
相手が話し合いに参加してくれない、全く意見を聞き入れてもらえないような状態であれば、家庭裁判所に離婚のための調停を申し込みます。
離婚調停では第三者である調停委員が中立の立場で話し合いに参加してくれますし、調停調書も作成してもらえるため冷静な話し合いができるでしょう。
実際には協議離婚を希望しているとしても、離婚調停の話を進めるだけで相手にプレッシャーを与えることができますね。
まとめ:セックスレスで離婚を考えているのなら・・・実際に離婚は可能?
いかがでしたか?今回は、セックスレスを理由として離婚を考えている方向けに、セックスレスによる離婚の方法や流れをお伝えしました。
セックスレスを軽く考えている人はとても多いですが、自分が耐えられない状態であると感じているのなら、それは十分な離婚の理由です。
「夫婦間で改善の努力をするのか」「離婚という選択をするのか」を話し合えると良いですね。
私は実際、数多くの妊活相談を受けていますが、実にその50%のご夫婦がセックスレスであるという現実があります。その原因は相手だけにあるのか。改善できる方法はあるのか。離婚を考える前にできることを一緒に探して行けたら嬉しいです。