2020.12.7

高齢不妊と病気との関係〜子宮筋腫などの病気を知ろう〜

晩婚化が進む今日、それに伴って妊娠を望む女性の年齢が高くなっています。結婚はいくつになってもできますが、妊娠はそうはいかず、母体の年齢が妊娠できるかどうかに大きく影響するのが現実です。

そこで今回は、高齢での妊娠が難しい原因や、女性に多い病気と高齢不妊の関係について解説します。

子宮筋腫と妊娠!高齢の場合の対応は?

子宮筋腫とは子宮の壁にできる良性の腫瘍で、女性の4人に1人がもっているとされます。

子宮筋腫の大きさや出来ている場所によっては、妊娠への影響はほとんどありません。

しかし、子宮筋腫の中でも、「粘膜下筋腫」とよばれるものは、月経量が多いなどの症状があり、子宮を圧迫するなどして受精卵の着床を妨げるため妊娠が難しくなります。

また、「筋層内筋腫」や「漿膜下筋腫」についても、筋腫の大きさや発生した場所によっては妊娠の妨げになるとされます。

子宮筋腫は30~40代に好発する症状で珍しいものではありませんが、発生から時間がたてば筋腫が大きく成長し妊娠の妨げとなりやすいことから、早めの対処が求められます。

時間の経過と共に筋腫が成長するということは、女性の年齢が進むほど筋腫は大きくなり妊娠しにくくなるということ。

子宮筋腫自体はそれが悪性に転じることは滅多にありませんが、将来に妊娠を希望しているのであれば定期的な検診で筋腫の有無や、大きさの進行を確認しておくとよいでしょう。

高齢不妊と病気との関係

時代の変化に伴って、妊娠を希望する女性の年齢は高くなっています。栄養面や環境面が以前に比べて格段によくなっていることから、人間の体が進化しているのも事実ではありますが、それでも、妊娠についてはある程度、年齢制限がかかるものであることに変わりありません。

女性特有の病気と高齢不妊との関係についてみていきます。

子宮腺筋症

子宮内膜に似た組織が子宮筋層内にできる疾患で、月経痛や月経過多、貧血、骨盤の痛みといった症状がみられます。進行すると筋層が厚くなり子宮が大きくなります。治療は薬物治療が通常ですが、子宮の摘出手術となることも。

30~40代に多くみられ、年齢と共に悪化しますので高齢不妊の要因になります。

子宮内膜症・チョコレート嚢腫

子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所で増殖する疾患を子宮内膜症といい、卵巣内で進行するとチョコレート嚢腫と呼ばれる卵巣嚢腫を形成することがあります。

これらの症状は月経を重ねるたびに進行しますので、年齢が進めば重症化し妊娠が難しい原因になります。

子宮頸がん

性交感染症に起因して発症することがあることから、若い年齢の女性にもみられるのが子宮頸がんです。

感染後、時間の経過によって進行がんに移行することがあり、治療をスタートした状況によっては子宮を全摘することがあります。

時間と共に重症化してしまう可能性があることから、高齢で妊娠を希望する場合のリスクのひとつとされています。

妊活中に知っておきたい子宮の症状と病気一覧

高齢不妊の原因は社会的環境にも

女性の年齢があがると妊娠できる確率は低くなり、妊娠できたとしても健康な赤ちゃんを出産するまでに、いろいろなハードルがあるのが現実です。

生理があれば妊娠できると考えている人は多いのですが、実際のところ30代の後半からは妊娠できる可能性がぐんと低くなります。

現代社会の状況として女性の高学歴化や社会進出が推奨されており、必然的に結婚の年齢そして妊娠したいと考える年齢があがっています。また、結婚相手を探しにくいという背景もあって、妊娠以前に未婚のまま年齢を重ねる人が増えています。

女性は社会での活躍と、子どもを産むことの両方を期待される存在である一方、働きながら子どもを育てるための環境整備が十分に整っていないのが、現状ではないでしょうか。

女性の体のことを考えると、少なくとも20代のうちに妊娠、出産するのが望ましいのですが、それが難しい社会的背景が高齢不妊の原因のひとつと言えそうです。

まとめ:高齢不妊と病気との関係~子宮筋腫などの病気を知ろう~

いかがでしたか?今回は、高齢不妊の原因をテーマに子宮筋腫やそれ以外の疾患について、女性をとりまく環境などを踏まえて解説しました。

女性は年齢とともに妊娠できるチャンスが減っていくのが現実で、子宮筋腫など疾患を持つ場合は、妊娠の計画についても具体的に考えておくことをおすすめします。

人生計画を見据えて、定期健診でしっかりと自分の体と向き合っておくと安心です。

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