2020.12.7

子宮筋腫とは?〜種類や不妊症との関係について〜

女性特有の疾患である「子宮筋腫」について、女性は耳にしたことがあるとは思いますが、原因や症状がどのようであるのかが気になりませんか?

そこで今回は、女性の身近な疾患である子宮筋腫について、症状・種類・治療法、不妊との関係などについて紹介していきます。

子宮筋腫について:原因と症状

女性の4人に1人がもっているとされる子宮筋腫は、子宮壁にできる良性の腫瘍で、特に30~40代に多く見られます。

悪性に変化することは殆どないとされますが、子宮筋腫の種類によっては、月経困難症と呼ばれる、不妊や流産の原因になることがあるので注意しましょう。

子宮筋腫になってしまうはっきりとした原因はわかっていませんが、女性ホルモンが影響しており、それによって筋腫が成長するとされています。従って、女性ホルモンが減少する閉経後は、子宮筋腫は小さくなります。

症状は、子宮筋腫の種類によってちがいますが、主に「月経痛」「頻尿」「便秘」「貧血」といった症状が現れます。めまいや動悸、腰痛、腹痛といった症状を訴える人もいますが、まったく症状が現れないということも。

診断はまず内診をした上でMRIやエコー検査を行い、必要に応じて悪性腫瘍かどうかを見極めるために細胞検査などを実施することがあります。

子宮筋腫の種類と不妊との関係

子宮筋腫は発生した場所によって種類がことなり、さらに腫瘍の大きさや個数によって症状の現れ方にちがいがあります。

子宮筋腫の4つの種類、「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」「粘膜下筋腫」「頸部筋腫」それぞれについて特徴と不妊との関係についてみていきます。

筋層内筋腫
最も多くみられる種類で、不妊の原因になることもあります。
子宮壁の平滑筋の筋層内にみられる筋腫で、大きく成長すると月経量が増えるなどの症状があります。
漿膜下筋腫
子宮壁の外側にできる筋腫で、子宮の外に向けて成長します。
自覚症状は少ないとされますが、筋腫が膀胱や腸などを圧迫して頻尿や便秘といった症状がみられることがあります。
不妊の原因となることは少ないのですが、妊娠時に合併症を引き起こす可能性があります。
粘膜下筋腫
大きさに関係なく、受精卵が着床しにくいなど不妊の原因となることがあります。子宮の内側に出来て、月経量が多く貧血などの症状につながることも。
頸部筋腫
子宮頸部、膣側にできる筋腫で、大きくなれば月経量が増えるなどの症状がみられます。

子宮筋腫が起きる場所や種類、不妊の関係について解説!

子宮筋腫の治療とは

子宮筋腫は、軽度であったり症状が軽いなどであれば経過観察とされますが、治療するのであれば薬物療法または手術による対処が通常です。

薬物療法の場合は、子宮筋腫の原因である女性ホルモン、エストロゲンをコントロールする薬を用いて一定期間、月経を止めて筋腫の縮小を促し、手術の場合は、筋腫核を摘出する、子宮を全摘出するなどの方法があります。

子宮筋腫の治療は、今後の妊娠希望の有無や年齢などを考慮して選択されます。

子宮筋腫の予防方法として具体的なものはないのですが、日常から月経の間隔や量をチェックする、基礎体温を計測するなどして、体調の変化があれば速やかに検診を受けるなど、もしものときに早期発見できるようにしておくと安心でしょう。

まとめ:子宮筋腫とは?~種類や不妊症との関係について~

いかがでしたか?今回は、女性に多い子宮筋腫について、特徴や症状、種類と不妊との関連性について紹介しました。

子宮筋腫はホルモン分泌の活発な30~40代に多く見られる疾患で、軽度であれば経過観察とされるなどで対応できますが、症状が進むと不妊の原因にもなります。ですから普段から、月経の状態などはぜひチェックしておきましょう。

気になる症状がある場合は、出来るだけ早く検診を受けることをおすすめします。

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