女性の社会進出が進み、同時に晩婚も一般的となった今では40代の不妊治療が増えています。不妊治療の技術は年々進化し続けていますので、多くの女性に希望を与えていると言えますね。
それでも「高年齢の不妊治療は難しい」「高齢出産にはリスクがある」という意見が多いのも確かです。この記事では、その理由や妊娠率について分かりやすく解説していきます。
40代を過ぎの出産にはリスクがある?
40代で妊娠できた方の中には「高齢出産はハイリスク」という現実に不安を抱き、何か心配なことが起こると「高齢で妊娠したせいだ」と自分を責めてしまう方もいるようです。
しかし、実際に高齢出産にはリスクがあるものなのでしょうか?
周産期死亡率は高齢出産のリスクはほとんどない
医師によっては「高齢出産の死亡率は2倍もある」と言う方もいるようですが、1000人あたりで考えるとその差は1.4人。パーセンテージで計算すれば20代後半での出産と40代での出産の周産期死亡率は0.14%しか変わりません。
不妊治療の現場ではスムーズな妊娠とは言えないかもしれませんが、妊娠後の医療現場からすれば、高齢出産は以前に比べて飛躍的に安全になっていると言えるでしょう。
流産や染色体異常は年齢とともに上昇
高齢出産のリスクとして言えることとして流産・染色体異常の発生率が上がるということがあります。流産は35歳以上の女性に比べて40代以上だと2.4倍、染色体異常は9.9倍にもなるのです。
このリスクは受け入れなくてはいけない現実であると言えますね。
妊娠中の母体への負担
40代になると多くの方は妊娠前から生活習慣病などのリスクを抱えてしまっています。
妊娠中は健康な若い方でも血圧が上がりやすく、糖尿病にもなりやすい状態になってしまうため年齢が高いほど母体に負担がかかるということです。
つまり高齢出産の場合は、妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群などの妊娠合併症によく注意しなくてはいけません。
40代を超えてからの妊娠は難しい?
40代を超えてからの妊娠には多くの不安要素があるとお伝えしましたが、そもそも妊娠自体が非常に難しい年齢でもあります。
どんなに不妊治療の医療が成長しても、女性の体の妊娠適齢期は変えられません。
高齢出産でない妊娠・出産にも安全や絶対は約束できないものなので、40代で妊娠を望むのであれば医師としっかりとした話し合いを行い、そのリスクを理解する必要があるでしょう。
40代で不妊治療が上手くいく確率について
一括りに40代と言っても、40代前半か後半かで不妊治療成功率も変わってきます。その差はどのくらいあるものなのでしょうか?
40代前半の不妊治療成功率
厚生労働省が発表している不妊治療の成功率を見てみると、その成功率は年々上がっていることが分かります。
40代前半の場合は2013年のデータで妊娠成功率55.3%、出産率32.0%。この結果の調査対象は「40代で初めて不妊治療を開始した人」となっており、治療開始が遅れてしまった場合もまだまだ希望が持てるということですね。
45歳以上の不妊治療成功率
40代前半では不妊治療の効果を得やすいとお伝えしましたが、45歳以上となるとその確率は非常に低いものになります。
妊娠成功率で9.1%、出産率はその半数程度と考えるべきでしょう。
まとめ:40代の不妊治療は難しい?リスクについて解説!
40代で不妊治療をする方は年々増えています。医療が進歩し続ける現代では高齢出産のリスクも大きく下がってきていますが、やはり期待をし過ぎないというのも精神的負担を減らすために大切なことではないでしょうか。