不妊治療を受ける方は年々増えており、それとともに社会の理解も深まってきたと言われていますが、まだまだそれはごく一部の話かと思います。
依然として理解が不足している環境で、仕事をしなくてはいけない方もいるのが現実だと言えるでしょう。
不妊治療は月経周期によって通院日が急に決まったり、通院頻度が変わったりするため職場の理解を得られない状態では働きにくく、不妊治療を原因に退職してしまう女性も少なくありません。
では、不妊治療を理解してもらうための手だてはないのでしょうか?
この記事では、仕事と不妊治療の両立のために作られた「不妊治療連絡カード」について説明します。
「不妊治療連絡カード」を使って職場での理解を広める
不妊治療連絡カードは、厚生労働省が「平成29年度不妊治療と仕事の両立に関わる諸問題についての総合的調査研究事業」の調査結果により作成されたものです。
それでは、詳しく不妊治療連絡カードの役割や目的を見ていきましょう。
不妊治療連絡カードの目的
不妊治療連絡カードの目的は、カードを職場に提出することで職場と不妊治療を受けている当事者の、コミュニケーションを進めやすくするためのものです。
また、企業が用意する不妊治療と仕事を両立するための支援や制度が受けやすくなる効果が期待できるでしょう。
その他にも制度を利用するために、会社側が医師または医療機関の発行する証明書として、不妊治療連絡カードを利用することもあります。
なぜ不妊治療連絡カードが必要なのか
なぜ不妊治療連絡カードが必要なのでしょうか?
実は不妊そのものは病名ではありません。さらに不妊につながる医学的な疾患が見つからない場合は、何の診断書も作成できないのです。
そして何らかの疾患があり病名がついて診断書がもらえたとしても、その診断書と妊活は直結しないので、不妊治療の証明にはなりません。
すなわち不妊治療のために、不妊を病気として扱う公的な証明書は作れないということです。そこで、不妊治療の現状を伝えるために不妊治療連絡カードが用いられるのです。
不妊治療連絡カードの具体的な使い方
ここからは不妊治療連絡カードの、具体的な使用方法を見ていきましょう。
不妊治療連絡カードを使用したいと考えているのであれば、ぜひ参考にしてくださいね。
不妊治療連絡カードを出力する
まずは不妊治療連絡カードを用意します。不妊治療連絡カードは厚生労働省のホームページに掲載されているものを使用しましょう。
不妊治療専門のクリニックであれば、クリニック側で用意されている場合もありますので確認しておきましょう。
不妊治療連絡カードを記載してもらう
用意した不妊治療連絡カードを、不妊治療を受けているクリニックに提出し担当医に記入してもらいます。
不妊治療連絡カードを会社に提出する
不妊治療連絡カードが完成したら会社に提出します。カードの前項に治療内容別の通院頻度などが記載されていますので、そのページを参考にして説明をするとよいでしょう。
特に不妊治療の知識が不足している上司や会社には、この説明があるかないかで理解度が大きく変わります。
また、不妊治療連絡カードは提出期限が決まっているわけではありません。そのため不妊治療開始前・開始後どちらでも自分の好きなときに提出すれば良いでしょう。
まとめ:不妊治療連絡カードとは?仕事と不妊治療の両立におすすめ!
不妊治療連絡カードについて、その役割と使い方を説明いたしました。
細かな手続きなどは必要ありませんので、思っているよりも簡単に利用できると感じたのではないでしょうか?
証明書としても有効な不妊治療連絡カードですが、仕事と治療を両立するためにも積極的に利用できるとよいですね。