不妊治療を開始する際には多くの検査を受ける必要があり、検査により不妊の原因を探ります。
この記事では、数ある検査の中でも子宮卵管造影検査について紹介していきます。子宮卵管造影検査を検討しているのであれば、ぜひ参考にしてください。
Contents
子宮卵管造影検査とは
子宮卵管造影検査は別名HSGと言い、「卵管の状態を検査」するために実施されます。そもそも卵管とは子宮から伸びる細い管で、子宮から卵管采までをつないでおり、精子・卵子の両方がこの卵管を通ります。
卵管の役割
子宮卵管造影検査について知る前に、卵管の役割を理解する必要があるでしょう。
卵管は排卵した卵子を卵管采で取り込み、膣から侵入してきた精子が出会う場所でもあります。その後精子と卵子が受精に成功し、受精卵になる過程でも受精卵は卵管内を移動して最終的に子宮に到達するのです。
ここまでの流れを知れば、妊娠するためには卵管が非常に重要な役割を持っていることが分かりますね。
子宮卵管造影検査で分かること
子宮卵管造影検査にて分かることは「卵管の疎通性」「子宮内の形状異常」「子宮内のポリープの有無」「卵管周囲に癒着がないか」などです。
子宮卵管造影検査の検査方法
ここからは、具体的な子宮卵管造影検査の検査方法についてお伝えしていきます。
子宮内に造影剤を注入する
子宮内にチューブを固定して、粘性のある造影剤を入れていきます。痛みを感じることもありますので、注入する量に注意しながら検査が進められます。本来は軽い生理痛程度の痛みに抑えられるようです。
X線透視で卵管の様子を見る
造影剤の効果で子宮〜卵管がどのような状態であるかをX線透視します。
造影剤の貯留が起きていないか確認
卵管の詰まりや癒着がないかを造影剤の貯留で確認します。
抗生物質が処方される
腹膜炎の防止のために検査後には抗生物質が処方されますので、必ず服用してください。
子宮卵管造影検査を実施することで得られるメリット
子宮卵管造影検査は検査結果を知る以外にもメリットがありますので、続いてそのメリットについて見ていきましょう。
卵管の通りが良くなり妊娠しやすくなる
卵管に造影剤を押し流すことにより、卵管の通りがスムーズになって卵管の働きが良くなります。つまり、子宮卵管造影検査には治療的な効果も期待できるということですね。
自然妊娠が可能かどうかが分かる
自然妊娠ができない体であるのに、自然妊娠の能力が欠かせない治療を何年間も続けることは時間の無駄であると言えます。
特に妊娠においては、1年の遠回りも致命的になるため、子宮卵管造影検査によっていち早く自然妊娠が可能かどうかを知れば、高度不妊治療にステップアップするタイミングが遅れてしまう問題を防げるということです。
子宮卵管造影検査は実施できない人もいる
子宮卵管造影検査をしたいと思っても、
- 重い甲状腺疾患がある
- 妊娠している可能性がある
- ヨードアレルギーを持っている
- 1年以内に子宮頚部のクラミジア抗原検査の実施経験がある
上記のような場合には、子宮卵管造影検査が実施できない方もいます。
まとめ:子宮卵管造影検査とはどのような検査なのか?~検査方法・内容~
いかがでしたか?今回は、子宮卵管造影検査の方法や子宮卵管造影検査で分かる内容について説明してきました。
子宮卵管造影検査は多少痛みを伴う検査であるため、検査前には緊張してしまう方も少なくありません。しかし、検査内容や目的を知れば、その必要性を感じることでしょう。検査や治療に少しでも不安がある場合には医師に相談し、その時々でしっかり説明をしてもらうとよいでしょう。
卵管造影検査は自然妊娠を望む女性の絶対にしておかないといけない検査No.1の検査です。ここが詰まっていたら100%妊娠できない!必ず行って来てください。