2020.10.30

不妊治療で実施される血液検査の種類と分かること

不妊治療を開始する前には多くの検査が実施され、不妊治療の原因を探ることが不妊治療のスタートであると言えます。

特に血液検査は月経周期に合わせて複数回採血・検査が行われ、その都度必要なことが調べられます。

この記事では、不妊治療を受けるときに実施される血液検査で分かることを解説していきます。

不妊治療の血液検査で分かること

不妊治療の血液検査では、一般的な健康診断などで実施されるような血液検査の結果も調べられます。

血液に関わる内容

  • 赤血球・白血球数
  • 血色素量
  • 血小板数
  • ヘマトクリット
  • MCV
  • MCH
  • MCHC

血液中の成分

  • 総タンパク
  • 中性脂肪
  • 尿素窒素
  • 尿酸
  • 推算GFR
  • アルブミン
  • クレアチニン
  • ナトリウム
  • カリウム
  • クロール
  • AST(GOT)
  • ALT(GPT)
  • ALP
  • AD
  • γ-GPT

感染症に関する検査

  • B型肝炎ウイルス検査
  • C型肝炎ウイルス検査
  • 梅毒の検査
  • HIVの検査
  • クラミジアの検査
  • 血液型ABO
  • 血液型Rh(D)因子

血液検査で分かる不妊治療に直結する内容

不妊治療の血液検査で分かる一般的な内容をご紹介しましたが、ここからはより不妊治療に直結する内容について解説していきます。

不妊治療の血液検査で調べられること①:LH(黄体化ホルモン)

LHは卵胞を排出させるホルモンで、LHホルモンが大量に排出されると24時間以内に排卵が起こります。

LHホルモンを調べれば排卵が予測できるということです。

不妊治療の血液検査で調べられること②:FSH(卵胞刺激ホルモン)

FSHは卵胞を刺激して発育を促すホルモンで、生理後に分泌されるものです。

FSHが正常に働けば、卵胞を順調に育てることができます。

不妊治療の血液検査で調べられること③:P4(プロゲステロン)

黄体ホルモンとも呼ばれるP4は、子宮内膜を厚くして着床しやすい状態を整えます。

P4の分泌が不足していると、受精後の受精卵が上手く着床できない可能性が高くなってしまうのです。

不妊治療の血液検査で調べられること④:PRL(プロラクチン)

PRLは本来授乳期に分泌されるホルモンですが、授乳期以外に分泌されてしまうと、着床不全や流産を引き起こしてしまう可能性があります。

不妊治療の血液検査で調べられること⑤:E2(エストラジオール)

女性ホルモン・卵胞ホルモンと呼ばれ、卵胞の発育と同時に分泌される量が増えます。

不妊治療の血液検査で調べられること⑥:TSH、FT3、FT4

血液中のTSH、FT3、FT4のバランスを調べれば、甲状腺ホルモンが調整できているかが分かります。

甲状腺の機能が低下・亢進どちらの場合も不妊の原因になります。

不妊治療の血液検査で調べられること⑦:抗精子抗体

抗精子抗体が血液中に存在してしまうと、精子を敵として判断し受精を阻止してしまいます。

不妊治療の血液検査で調べられること⑧:TEST(テストステロン)

TESTは男性ホルモンの一種であり、女性の血液中にも存在していますが、その量が多過ぎると排卵障害が起こる場合があります。

まとめ:不妊治療で実施される血液検査の種類と分かること

不妊治療中を始めるときには多くの検査が実施され、その中でも血液検査ではさまざまなことが分かります。

血液検査は月経周期に合わせて複数回実施されるため、不安になってしまうこともあると思いますが、不妊治療を進めるために欠かせない検査であることを理解して検査に臨むようにしましょう。

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